まずいっ、左右からのレーザーを防ぐ手段などない。一か八かで俺はビットの隙間に潜り込み、レーザーを回避する。だが、間合いを取ることも詰めることもできない状況でヒバチからも弾が放射状に発射された。
朱理「マスター!」
その後ろから朱理が太いレーザーを発射する。より強大な火力であろう朱理のオレンジ色のレーザーが紫色の細いレーザーを相殺する。しかし、相殺した筈なのに、どういうわけかそこから更に紫色の弾が迫ってくるのだ。
貴方「相殺できないっ!?」
こうなればレーザーの状態は朱理で相殺し、俺がレイディアントソードで弾の方を処理するしかない。どの道防戦一方であり、このままではさらに戦況が悪くなるのみである。上下左右からレーザーが発せられまともに身動きが取れない状況。
周囲の攻撃にしか意識を向けられなかった俺はヒバチがすぐ近くまで接近していることに気が付くことが出来なかった。至近距離からヒバチの全火力をぶつけられたとあってはひとたまりもない。
ロンゲーナー大佐「終わりだ、死ぬがよい!」
散弾銃を全弾受けたかのような衝撃、あの蜂と顔を合わせてしまった絶望感、そののちに視界が赤く染まる……筈であった。
貴方「朱理っ!」
すんでの所で朱理が俺を庇ったのだ。所々外装が剥がれ落ちており、エレメントドールがロボットであることを思い出させる。今も破損部分が漏電を起こしており見るからに痛々しい。
朱理「マスターの命は……守らないとね……。だけど、ちょっと休ませて……。さあマスター、あんな奴、すぐに……ブッ倒しなよ…………」
彼女の名前を再び叫ぶが、朱理の瞳から光が弱まっていく。宇宙空間を漂う朱理の残骸を俺はリフレックスリングで掴んで回収。そしてそれを見て冷静でいられるロンゲーナー大佐。奴についていったところでこうなるのがオチなんだ。今のではっきりと分かった。
貴方「朱理、少しの辛抱だからな。幻想郷には河童というそれはそれは腕のいいエンジニアがいるんだ。そいつらにお前のこと、すぐに修理させるから……だから死ぬんじゃないぞ」
すがるように、祈るように……。そうやって俺は朱理に語り掛けるが瞳の光はとうとう消えてしまった。安否は分からないが、今は大佐と戦うことに集中しよう。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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