(その頃、月面では……)
貴方「早苗ぇー!」
大佐を映していた映像がその頭上を映し始める。そこには大佐が口にした風祝の少女が宙吊りにされて力なくぐったりしていた。ライトの逆光でその姿はよく分からないが、風祝といえば早苗でまず間違いないだろう。おおかた怪しいと思っていた首領蜂隊の裏の顔を暴くべく単身であの空母に潜入して、捕まってしまったのだろう。アイツ、無茶しやがって……。
ロンゲーナー大佐「本来はすぐさま蜂の巣にする筈だったが、私の『協力者』のアドバイスによって命までは取っていない。もっとも、死よりも惨いことになりかねないのだがな。しかしこれも新たな幻想郷の為。尊い犠牲と言えるだろう。これ以上の悲しい事故を起こさないためにも、現状を受け入れるがよい。もっとも私の獄滅極戮兵器群に歯向かうというのであればいつでも相手をするが、貴様らに絶望をもたらす結果に終わるだけだと忠告しておこう」
それだけ尊大に振舞うと、大佐の立体映像からノイズが発生し、そして映像が消えてしまった。ふざけやがって! 早苗は見せしめとしてさらし者にされて……! くそっ、くそっ、くそっ! いくら涙をこぼしても、いくら悔やんでも現状は良くならない。誰も声をかけられない中、意外な声が俺に語り掛けてきたのだ。
純狐「お友達を悔やむのもいいけれど、今は現状を打破する方が大事ではなくて?」
その一言で俺はハッとした。完全に俺達の敵となった首領蜂隊は月面で何をしている? そう、奴らは純狐を「俺達ごと」取り囲んでいる。いや違う、初めから標的は俺だったんだ。正しくは俺達を「純狐ごと」取り囲んでいる……だ。つまり純狐を包囲して攻撃したのは完全にオマケということ。
貴方「うおああああああ!」
首領蜂隊が動き始めると同時に、俺はレイディアントソードを取り出し無茶苦茶に振り回した。カラフルな戦闘機たちはこれで次々と落ちていく。兵装をハンターに換装し、遠くでジェットエンジンの羽音を立てる蜂どもも確実に仕留めていった。
そうして俺はこの月面の兵器群を指揮しているであろう朱理と向き直る。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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