蓮の蕾からレーザーが、大玉が、鱗弾が発射される。そしてそれらがヒバチを貫いた。ロンゲーナー大佐と、そして早苗を巻き込みながら……。

ロンゲーナー大佐「ぬうぉおぉぉっほぉ! まさか……まさか本当に撃ってくるとは!」

元よりゴールデンディザスターよりもずっと小型の機体、バリアのような対策さえなければ簡単に吹き飛んでしまう。爆炎を上げながらヒバチは地球の重力に引っ張られゆく。恐らくは早苗の邪魔が入ってからは地上に逃げようとしていたのだろう。そしてそれを俺も追いかけていたことにもなる。

今も何度も爆発するヒバチの中、狼狽えていた大佐。だが、何かを悟ったのか、急に元の口調に戻る。

ロンゲーナー大佐「私は貴様等を少し見くびっていたのかもしれないな。……ならば仕方あるまい。私が生き残ろうと貴様が生き残ろうとこの幻想郷の歴史は変わらぬ。歴史を動かすものは兵隊ではない。貴様は兵隊である時点で、ハタラキバチになった時点で私に負けていたのだ」

一体何のことを言っているのだ? 負け惜しみ……いや、そんな感じではないな。

ロンゲーナー大佐「分からぬか。ならばこのまま地球に戻るがいい。否が応でも思い知らされるはずだ。そこで死よりも深い絶望を味わうがよい。くふっ、ふははははは……!」

不気味な笑い声を残し、大破したヒバチはバラバラになり、大気圏で燃え尽きていく。このままでは俺も同じ運命をたどることになる。もはや俺の命は俺だけのものではない。ここで死んでしまっては早苗に申し訳が立たないではないか。

一度地球から離れてサイバリオンたちが通った通路に入り……あれ、動かない。

なんということだ、アールバイパーも連戦につぐ連戦でもはや動けないようだ。アールバイパー単体では大気圏突入は不可能だ。ましてやこちらもヒバチとの戦闘で大破しているのだからすぐに熱でスクラップにされてしまう。

朱理「お困りのようね、マスター……」

急に聞こえる女性の声。それはコクピットの中ではなく、外から聞こえてきた。声の主は朱理の物であった。やはりボロボロになっていた彼女がいつの間にかアールバイパーの外に出ていたのだ。そして、アールバイパーに抱きつき始める。

貴方「おいっ、何をするつもりだ?」



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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