朱理は決意にみなぎった面持ちをしていた。さらにギュっと銀翼を抱いて、離れようとしない。
貴方「お前、まさか……!」
朱理「マスターは限界までリデュースをして。私が小さくなったマスターの盾になるわ。今の私にはそれしかできないから……ね」
所々ノイズの混ざる朱理は半分むき出しの状態になりながら気丈に振舞っていた。
貴方「朱理、傷ついたお前がそんなことをしたら……」
朱理「ええ、私は無事ではないでしょうね。だけど、これでいいのよ。ここまで破壊されたエレメントドールに最早戦う力は残されていないわ。こうすることでしかマスターの役に立てないもの」
貴方「馬鹿なことを言うんじゃない! お前の体はにとりに修理させる! 戦えなくたっていい、生きてさえいれば……生きてさえいればそれでいい。俺に……これ以上友達を失えというのかっ!」
朱理は早苗の最期のことを知っているかは分からない。だけどここで朱理の言う通りにしたら……。涙を拭う事すらできない。それだけ喪失感で心が溢れていたのだ。
朱理「エレメントドールは可能な限り人類を助けるもの。目の前で死に瀕する人間がいて、助けられるのであれば手を差し伸べてしまうもの……よ」
朱理の背中が焼けている。いよいよ大気との摩擦で熱を帯び始めているのだ。機体も揺れ始めており、朱理がいなければアールバイパーも無事ではないだろう。彼女が俺の身代わりになっているのだ。
ゆっくり霊夢も涙声で「考え直して!」と悲鳴を上げているが、朱理はまるで動じない。
朱理「本当の意味での光になるのは私だけでいいの。アンタ達は、マスターは幻想郷を希望で照らす『光』になるの……。約束……よ……」
戦友が燃えカスになってゆく。今も激しく機体がゴウゴウと揺れている。最期に朱理は不器用な笑顔を浮かべて見せていた。
そして機体の揺れが収まる。地球に無事に突入できたようだ。朱理だった鉄くずは音もなく地上へと落ちていく。
ネメシス「シュリ……」
月面のシーマ異変を操っていた純狐、彼女すらも利用していた首領蜂隊の大ボスを俺達は倒すことが出来た。だがその代償はあまりに重たかったのだ。早苗が、そして朱理までもが犠牲になってしまったのだから。
貴方「まずは衣玖と合流するべきだ。それに大佐の遺した言葉も気になる」
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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