(同じ頃、アールバイパーは……)
ようやく幻想郷に戻った俺が真っ先に目にしたものは首領蜂隊の兵器群が白玉楼を襲っているところであった。戦況は白玉楼側の劣勢。幽々子の前で勇ましく刀を振るう妖夢であったが、次々と現れる兵器を前に防戦一方となっていたのだ。
加勢してやりたいところだが、今の銀翼にもはや戦う力は残されていない。今は衣玖さんと合流したのち、命蓮寺で修理を受けるのが最優先だ。
貴方「許せ妖夢、お前の手助けは無理そうだ」
彼女の身を案じながらさらに高度を下げていく。すると一つの光の玉が白玉楼へとジグザグに入り込むのを目撃。それらは首領蜂隊の兵器に体当たりしていく。更には同じ方向から無数の針も飛んできて、それらがなんと一つ残らず奴らを殲滅してしまった。
貴方「何だあれは!?」
驚く最中、すれ違ったのは巫女であった。血のような真っ赤なリボンで長髪をまとめ、何故か腋が露出した巫女服らしきものを身にまとっている。……もしかしなくても霊夢だ。だけど彼女は既に死んでいる筈。どういうことだ?
貴方「霊夢? 生きていたのか? だとしたら今まで何をしていた……?」
こちらの存在に気付いたのか、踵を返してこちらに近寄ってくる。だが、どういうわけか先程首領蜂隊の兵器を破壊した針を撃ち出しながら。
貴方「何のつもりだっ! 俺は敵じゃない!」
霊夢?「よく言うわこの侵略者め。だけど殺すのは後。その前に聞きたいことがあるわ。青娥はどこにいったの? アイツと組んでたでしょ?」
青娥だって? 奴はこの俺が仕留めた筈だ。大体目の前にいる霊夢だってロンゲーナー大佐が言うには既に死んでいる筈。それに仮にいままで生きていたとしたら、幻想郷がこんなことになる前にどうして動いていなかったのか疑問が残る。やはり生きている筈がないんだ。だけどあの針は、標的をホーミングする光は何だ?
わけが分からない。霊夢がここにいる理由も彼女が青娥を探す理由も俺が知る筈がない。
貴方「青娥は俺が倒した。完膚なきまでに肉体をバラバラに砕いたから復活することはあり得ない」
霊夢「アイツは生きているのよ! この目で見たもの」
なんだと……? そのことについて詳しく聞こうとしたが、その直後に地面が大きく揺れる。空を飛んでいる俺達には直接的な被害はないものの、霊夢はこの揺れに対して過敏に反応していた。
霊夢「アンタに構っている暇はなさそうだわ。どうせ放っておいても虫の息だし、何も知らなそうだし……。というわけで勝手に野垂れ死んでなさい」
それだけ早口でまくし立てると人里の方へと飛んで行ってしまった。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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