地底でその姿を見せなくなった、それはつまり全身が地上に現れたことを意味するのだ。

白蓮「ああ……あ……。あの『石のような物体』は一体……?」

迷いの竹林上空あたりか、そこには黄金の八面体がゆっくりと回転しながら浮遊していたのだ。あまりに無機質で異質な存在。確かに「石のような物体」以外にどう形容したらよいものか。

貴方「俺の読みが正しければ……アレは地球の意思そのものだ。その名は……」
???「産土神黄輝ノ塊(ウブスナガミオウキノカイ)……といったところですわね」

不気味に浮遊する黄金の八面体の下、芝居がかったように両手を広げ、名乗りを上げるのは青髪の邪悪であった。

貴方「青娥……!」

だが、奴は俺のことなど無視して愉悦に浸り、口元をゆがませた笑顔を見せている。直後、頭上で何かが落ちてきた。

衣玖「霊夢さんっ!?」

思い切り地面に叩きつけられた霊夢はピクリとも動かない。その頭上ではなんとクジラ型のベルサー艦「グレートシング」が3機も配備されていた。無茶苦茶だ。これもあの石のような物体が生み出したというのか? 逆に青娥が霊夢の胸ぐらをつかみ、空中まで引っ張り上げる。

青娥「何度挑んでも結果は一緒ですわ。あのスキマ妖怪の後ろ盾のない貴様などこの程度よ! さて、博麗の巫女よ、わたくしの軍門に下るというのでしたら命だけは助けますけど」

あの霊夢が……首領蜂隊の兵器相手にワンサイドゲーム状態だったあの霊夢がズタボロにやられている。確かにグレートシングを同時に3体相手するのは無茶な話である。俺だってこんな状況になったら逃げの一手だ。俺が同じ状況に陥ったらどうするだろうか? ひとまずは従うだろう。その上で反撃の機会を静かにうかがう。

だけど霊夢は違った。俺よりもずっと幼いのに幻想郷そのものを抱えているのだ。覚悟が並大抵ではなかった。

霊夢「やるなら……やりなさいよ。紫も藍も殺して、この私まで手にかけたらもはや博麗大結界を維持する手段は永遠に失われる。そうしたらアンタの企みもおしまいよ!」

苦悶の表情を浮かべながらも口元だけニヤリとふてぶてしい笑みを浮かべている霊夢。果たしてそれがハッタリなのか、本当に結界が崩壊するのかは分からない。だが、この表情であのように言われては普通は躊躇してしまう。だが青娥も普通ではなかったのだ。

青娥「あっそう、ざーんねん。じゃあ……死ね」

無機質に、無造作に、まるでそうなるのが自然の摂理かのように青娥は無表情で霊夢を再び地面に叩きつけた。グシャと嫌な音を立てて、霊夢はそれきりピクリとも動かなくなった。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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