貴方「お前たちは始めから……。俺達を騙したのかっ! 何か言えよっ、目を逸らすんじゃない朱理っ!」
まだまだ首領蜂隊の兵器は多く残されており、更に朱理とも戦うとなると消耗したアールバイパーではどこまで持つか分からない。視線を逸らす朱理であり、どこか躊躇っているようにもみえるが、瞳そのものは冷酷な光を発したままであった。
朱理「ごめんなさい○○……。だけど、首領(ドン)の命令は絶対なの。たとえそれが間違っていたとしても……ね」
俺は無言で銀翼に乗り込んだ俺はかつての戦友に銃口を向ける。しかし指が震えてしまい、その引き金を引くことはできなかった。
朱理「私に課せられた任務は二つ。シーマと戦う○○を監視して、その様子を首領(ドン)に映像記録として見せる事。そしてもう一つは月面で封印された兵器の復活を邪魔する存在を排除した後、速やかにアンタを……消すこと! 終わりだっ、死ぬがよい!」
覚悟を決めたのか、冷たい光を宿した瞳をこちらに向けてきた。本気で殺しにかかるつもりだ。ならばこちらも……やらなければ死あるのみ!
オレンジ色の小型ビットを4つ展開した朱理。そこからすぐさまこちらを狙うようにオレンジ色の銃弾が一気に押し寄せてきた。
貴方「受け止めるんだっ、ゆっくり霊夢! 白鈴『大食い勇者アレックス』!」
物量こそ多いものの大きな口をパクパクさせながら朱理に迫るゆっくり霊夢は銃弾を一つ残らず喰らいつくしていく。朱理の射撃は強烈ではあるもののあまりに直線的すぎるのだ。
朱理「ならば奥の手よ。ハイパーシステム、起動……」
あくまで火力で押し切るつもりだ。だが、朱理の眼前まで迫ったゆっくり霊夢と視線が合った瞬間、朱理の動きは鈍った。
朱理「馬鹿なっ、起動できない!?」
そのまま焦燥する朱理にゆっくり霊夢がぶつかりこむ。しがみつきながらガブガブと頭に噛みついている。
ゆっくり霊夢「こんな事したって誰も幸せにならないもん! 朱理は○○のこと、嫌いになっちゃったの?」
朱理「うるさいっ、首領(ドン)の命令は絶対なの! 私達の理想がこれで成就されるというのなら……」
朱理の頭に噛みついていたゆっくり霊夢はその眼前に躍り出るともみあげで思い切り頬を叩いた。
ゆっくり霊夢「その『ドン』って人の言う通りにちゃんと働いた○○はよく分からない理由で今まさに殺されそうになってるよ! 朱理だってこの後で捨てられるかもしれないんだよ!」
両目を見開き頭を抱えてうずくまる朱理。心なしか頭から湯気が出ているようにも見える。エレメントドールとしての使命と、今まで見てきた俺達にギャップを感じて葛藤しているのが分かる。それでも朱理が選んだのはエレメントドールとしての、首領蜂隊の一員としての行動であった。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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