命蓮寺で匿ってもらうことになったバイド達は真っ先に風呂場へと向かった。心配になって後をつけてみると……。

脱衣所は無数の小型バイドでひしめき合っていた。一際グロテスクな肉塊のバイドが大はしゃぎしている。確かあいつらはバイド化したR戦闘機「バイドシステムα」とナマコのようなバイド「ノーザリー」だ。

バイドシステムα「ヒャッハー、水だよ水! 久方ぶりの『地球の水』じゃねーか!」
ノーザリー「もう我慢できねぇ! 思いっきり浸かろうぜ」

そんな騒がしい二人を叱責するのは深緑色のロボットの姿をしたバイド「ゲインズ」。手にしているのはシャワーだろうか。

ゲインズ「体を流さずに浴槽に飛び込む奴があるか!」

バイドシステムα「冷たっ! まだ冷たいじゃないかよ!」
ノーザリー「先っぽはらめぇ!」

入浴の心得なきバイドどもには無慈悲な冷水シャワー。その冷たさと水勢に悶絶する二人。

正直異様な光景であった。そこにいたのはただ標的を攻撃して破壊しつくす生体兵器ではなく、普通に生活をしようとする……そうだな、幻想入りした妖怪と言ったところだろうか?

貴方「しばらく風呂には入れそうにないな……」

何処か和む光景ではあるものの、バイド汚染したら非常に困る。俺は黙って脱衣所を後にするとアールバイパーの眠る格納庫へと足を運んだ。

俺の翼は照明に照らされて白金色に輝いていた。特に異常はなさそうであると分かると胸をなでおろす。バイドとはどうも難儀な種族である。愛機が無事なのを確認していると、隣で不意に声がする。

にとり「アールバイパーは特に異常なしだ。それより隣の部屋ででっかいのが寂しそうにしていたよ。話し相手になってあげてはどう?」

でっかいの……? ああ、ジェイド・ロス提督だ。あの巨体じゃお風呂にも入れないからな。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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