それからさらに数日後……。
すっかりこの新たな珍客も命蓮寺に馴染むと、俺は白蓮を連れてジェイド・ロス提督のたたずむ大きな部屋へ向かう。
モリッツGを撃破し、空からやって来たジェイド・ロスとも和解したものの、バイドの種子は今も幻想郷各地に降り注いでいる。いよいよ提督に何か知っていることがないかと聞き出すことにしたのだ。
白蓮「ジェイドさん、貴方達が本当にこの地に降りかかる災いとは別物であると皆さんが理解しました。今こそ異変の真相を……」
少し傾く「提督」。少し間を置くと重苦しい口調で語り掛けてきた。
提督「うむ、我々を信用してくれたか。では話そう。バイドはまるで『何か』に吸い寄せられるようにこの地に落下しているのだ」
吸い寄せられるように!? つまり隕石は落ちてきたわけではなく幻想郷に吸い寄せられていた……と。電灯に群がる虫じゃあるまいし何がバイドを引き寄せているんだ?
提督「かく言う私もその本能で再び地球に吸い寄せられた。この地に居場所がないと悟り、地球を立ち去ろうとした矢先のことだ」
その後、本能に打ち勝ち我に返った「提督」はバイドを引き寄せる原因を探し回ったものの、ついに見つけることが出来なかったのだという。
ちょっと待った。バイド、それも元人間である場合は自身がバイド化していることを知らずにただ地球に帰ろうとしているだなんて話をよく聞く。そのことについて問い詰めようとしたが、やめた。
少なくともジェイド・ロス提督は自らがバイドであることを知っている。それにもかかわらず引き寄せられたというのだ。いったい何が彼らをこの幻想郷に縛りつけるのだろうか?
白蓮「貴方達を引き寄せる何か……? 地上を探し回っても見つからなかったってことは地底にその何かがあるのかもしれませんね」
提督「地底……。地面のさらに下か。なるほど、その発想はなかったな」
地底と言えば幻想郷の地上での生活が肌に合わずに地上から去っていった妖怪たちのひしめく場所であり、そこにいる妖怪の危険度も地上のそれの比ではない。
貴方「ということは地底はバイドの支配下に……?」
あれだけの隕石が地下に浸透していったということは地底は既に……。いや、地上なんかよりも凶暴で厄介な妖怪の巣窟なのだ。そう簡単にバイドに屈するとも思えない。ああ、そう簡単には屈しない……よな?
白蓮「まだバイドと決まったわけではありませんが、落ちた隕石が地面に溶け込むように消えていっただなんて目撃情報もあるようです」
ううむ、不安が不安を呼ぶ。いったい地底にバイドを引き寄せる何があるというのだ……?
提督「うむ、ならば地底を調査してバイドがいるようなら叩く!」
準備ができ次第地底への入り口へ向かうことにした。地上と地底を繋ぐ場所と言えば間欠泉地下センター……。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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