誰かと思えばチルノではないか。見間違うはずもない。初めての弾幕ごっこの相手であり、彼女曰く俺は「あたいのマナデシかつ、えーえんのライバル」なんだそうだ。

そんな彼女が髪の毛や身に着けている服だけでなく、顔までも真っ青にしている。白蓮さんが落ち着かせるように促すと、どうにか事情を口に出来る程度に落ち着きを取り戻したようだ。

貴方「どうしたんだ? 『喧嘩したからバイパーの力を貸してくれ』ってのはナシだぞ?」

チルノ「そんなじゃないんだよ! 春でもないのにリリーホワイトが荒ぶってるの。どう考えても変でしょ!? あたいだって季節くらいわかるし」

リリーホワイト、またの名を「春告精」ともいう彼女はその名の通り春の妖精である。主に春先に大きな力を持つようになり、毎年冬の終わりに「春ですよー!」と大声を張り上げながら群れて飛行するのだ。

春の到来を告げながら、桜の花びらや弾幕を伴ってたくさん飛行する様は圧巻であるし、近づくと危険である。

とはいえこれは彼女が最も力をつけている春先での話。普段は力の弱い妖精ゆえに大人しくしているはずだ。こんな残暑に元気になるとは考えにくい。確かにおかしな話である。

チルノ「暴れ出しちゃって手が付けられないんだ。というわけで○○、援護して」

とにかくチルノの言ってることが本当ならこれは明確な異変だし暴れ出している以上、被害が出ないように止めなくてはならない。

貴方「確かに野放しには出来ないな。アールバイパー、出撃する!」

銀翼をくるりとターンさせると、一気にバーニアを吹かす。チルノと共にリリーが暴れている場所まで向かう為に。

提督「春を告げる妖精がこんな晩夏に活発な活動……か。嫌な予感がする」

早苗「私はこの件を神奈子様にお知らせします。本格的に動かなくてはいけないのではと提言して」

遅れて提督と白蓮が続き、俺たちとは別の方向へ早苗さんは向かう。


(青年達移動中……)


しばらく移動を続けていると、照り付ける暑い日差しの中、この季節に相応しくないものが目の前に現れた。そいつは甲高い声でキャイキャイ騒ぎながら何かをばら撒いているのだ。春の妖精だし桜の花びらなのだろうか? いや、そんな筈はない。もう少し近づいて様子を見てみよう。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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