俺の目の前で赤い水風船が爆ぜた。グチュと嫌な音を立てて。

あのままとどめを刺し損ねたバイドに白蓮が襲われて……。

貴方「そんな……、俺が躊躇ったから? バイドを完全に破壊しなかったから!?」

俺にだって分かっていたはずだ。バイド化したものが元に戻るはずもないと、大人しくしたくらいでは攻撃本能が減衰することはあり得ないと。

貴方「あああ……」

身体強化を行わなければ超人と呼ばれる聖白蓮とてただの人間と変わりない。ゆえに不意打ちには弱く、今回は身体強化が間に合わなかったのだ。そしてそれは次回などもはやあり得ないことを意味した。

俺はゆっくりと銀翼から降りると力なく横たわる亡骸の腕を取り、ただただ涙した。こんなのって、俺が殺したようなものじゃないか。俺が弱さを見せてしまったばかりに……。

もはや謝罪をすることすらかなわない。立ち上がる力も今の俺には……っ!?

貴方「あがっ……」

気が付くと俺の胸に棘が生えていた。違う、背後から鋭利なもので貫かれたのだ。暴走したバイド兵器が無防備な人間を見逃すはずもなかったのだ。何と迂闊なことをしてしまったか。こんなことにすら思考が回らない程俺は精神が弱っていたのだ。

薄れゆく意識の中、俺は恩人であった彼女の上に覆いかぶさるように倒れた……。



びゃくれ……さん、ご……め……



Dead End...

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名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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