いくら相手が素早いとはいえ、ハンターの追撃を振り切ることなど……あ、あれ?
ヤマメ「どうしたのさ。もしかして攻撃おしまい?」
蒼き狩人が土蜘蛛を仕留めることはなかった。ああしまった、そういうことか……。
大回りしてしまうハンターはこのような狭い場所ではまともに機能しない。恐らくヤマメをホーミングする間に壁にぶつかってしまったのだろう。こうなると地道に狙い撃つしかないのだが、なかなか相手を捕捉できない。
貴方「仕方あるまい。ネメシス、コンパク、ローリングフォーメーションだ!」
オプションを3つ呼び出すとアールバイパーの周囲をくるくる回転させる。意識を集中させ、俺はスペルカードを取り出した。
貴方「操術『オーバーウェポン』!」
何度経験しても慣れるものではない。回転するオプションから銀翼に、そして俺の両腕に魔力が伝わってくる。襲ってくる吐き気に負けないように、俺は再びハンターを使用する。
ヤマメ「……!?」
狙い通りだ。光の針となったハンターは一直線に飛んでいく。これらは少しも遠回りすることなく飛び回る土蜘蛛に突き刺さっていった。
このまま倒そうと思ったがオプションたちの魔力が枯渇してしまう。やはり長時間の稼働は無理か……。急いで3つのオプションを格納するといまだに怯んでいるヤマメに接近戦を仕掛けることにした。
貴方「喰らえっ、レイディアントソード!」
追撃を逃れるためにヤマメは蜘蛛の糸を吐き出し、この場を脱しようとしていたが、そもそも俺はヤマメ本体なんか狙っていない。本当の狙いは蜘蛛の糸にぶら下がった瞬間の糸のほうである。
貴方「かかったな? 奈落の底に落っこちろ!」
蒼き刃が異様に細い蜘蛛の糸を斬りつけ……あれ? ビクともしないぞ。見るとレイディアントソードが蜘蛛の糸まみれになっておりその切れ味を完全に失っていたのだ。
ヤマメ「ふう、間に合った間に合った。これならただの棒と変わらないわね」
そのまま体を揺らすと受け止めたレイディアントソードを軸にヤマメ自身が大回転をした。こうすることでアールバイパーと蜘蛛の糸でつながれたことになる。それをゆっくりと手繰り寄せると銀翼の上に乗っかった。
貴方「くそっ、降りやがれ!」
必死に機体を左右に揺らして振り落とそうとするが、びくともしない。糸まみれのレイディアントソードは使い物にならないし、サンダーソードを使用するほどのオプションの魔力も残っていないだろう。さっき盛大にオーバーウェポン使ったし。
万事休すか。くそっ、こいつはどう出てくる?
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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