ヤマメ「あんまりこういうのは好きじゃないけど、今回は能力使わせてもらうよ。あんたはあのいけ好かない住職のお気に入りっぽいし、何よりその銀色が気に食わないからねぇ」

こいつ、何かしらの疫病をもたらすつもりのようだ。余裕たっぷりの邪悪な笑みで「さーて、どんな病気がいいかねぇ」とか怖いことを口にしている。そして不意に周囲の瘴気がわずかに揺らいだ気がした。

ヤマメ「よし決めた、鳥インフルエンザにしてやる!」

嫌な気がヤマメの両手に収束し、銀翼を包み込んだ。ぐっ、何も見えない。しかし魔力を帯びた瘴気の雲がこちらに集中したことで魔力レーダーが正常に機能を始める。俺の周囲を除けば瘴気はなくなっているからだろう。土蜘蛛、破れたり! 俺はレーダーを頼りにもう一つの近接武器「リフレックスリング」を逆回転で射出する。

ヤマメ「な、なんだってんだい? 今頃高熱にうなされている筈なのに……」

抵抗などされるはずもないと高をくくっていたヤマメはあっさりとリングに拘束されて慌てふためく。俺はジタバタと暴れる土蜘蛛をリングでガッチリと捕まえると、高度を一気に上げて瘴気の塊から脱出。

貴方「そういえば、お前にはまだ言っていなかったな」

なおも抵抗を続けるヤマメをゴツゴツした岩の壁にぶつけて大人しくさせる。鈍い音と共に手足をぐったりとさせていた。

貴方「いいか、覚えておけ。アールバイパーはやたら喧しい変な鳥の妖怪じゃなくて……」

そのまま縦方向に銀翼を回転させる。最初はゆっくりと、しかし段々と勢いをつけて。

貴方「超時空戦闘機だっての! 陰陽『アンカーシュート』!」

最後にスペルカード宣言を行いつつ、ヤマメを思い切り上方向にブン投げた。はるか上空で爆発を起こし、懲らしめることが出来たことが分かる。糸のすっかりほどけたレイディアントソードで、残った瘴気と今もバイドを捕えている蜘蛛の糸を斬り払う。

バイドシステムα「かーっこいい♪ お、他のバイドもゲインズが救出したようだな」

今回はどうにか切り抜けたものの、地底の妖怪はこんな奴ばかりなのかと思うとゲンナリとする。だけど行かなくてはならない。バイドを倒して地上に帰るためにも。

傷ついたコンバイラ隊の一員が旗艦に格納されるのを確認したのち、俺達はさらに深部へと進路を取った。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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