フラフラと機体を微調整させ、前方から機関部に接近しようとするが、対空砲に阻まれてうかつに近寄れない。フリーウェイで狙い撃とうにもグリーン・インフェルノの装甲が邪魔で有効だが与えられないのだ。

そうしているうちに真っ暗だった前方にぽつりぽつりと光がともっているのが見えてきた。

パルスィ「あれは旧地獄市街地。もう時間がないわ!」

このままだと地底の都市がメチャクチャになってしまう。あ、焦るな俺……。焦ってもいい結果は得られない。ここでうかつに接近しても蜂の巣にされるだけ。じっくりと隙を見計らい……。

ゲインズ「聞こえるか○○? またバイドを引きつける不可視の力が流れている!」

はるか上方でこのような声が響いたと思った矢先、グリーン・インフェルノは加速、いや、正しくはより速く落下しだす。まずい、機関部に近寄ったはいいが、これではいい的でしかない。

どうすればいい? 悠長にフリーウェイで狙いを定めるのは自殺行為だし、自動で敵を狙うニードルクラッカーなら気軽に使えるが、これでは火力が足りないだろう。サイビットでは遠くの砲台まで届かないしそもそも全部を倒しきれないだろう。レイディアント・スターソードなら火力はあるが、攻撃範囲の狭さは変わらない。いったいどうすれば……。

考えろ、考えるんだ俺……。いや、こんなことしている場合ではない。こちらを狙った砲台が一気に砲撃を開始してきた。なんでもいい、とりあえずスペルを発動しないと……。

何かないのか、まるで意志を持ったかのように敵という敵を薙ぎ払うような、それでいてもっとも重要な場所を狙ってくれる都合のいい武器が……。

あった。パルスィがこちらに不意打ちする際に放った緑色の長い怪物。アレを再現すれば……。

再び俺はオーバーウェポンを発動させる。そして使用するスペルは……操術「オプションシュート」。これを可能な限り同時に発動する!

アールバイパーの周囲を回転するオプションが一際オレンジ色に輝く。そのまま回転速度も上昇し、光の点が繋がり線となった。有り余る魔力の塊がブンブンと唸りをあげる。その音もだんだんと甲高くなり、まるで龍の咆哮のように大きく地底で響き渡る。オレンジ色をした光の線はいつしか胴の長いドラゴンの姿と化していた。

貴方「これは……。そうだ、間違いないぞ。これこそ俺の新スペル」



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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