貴方「こ、これは……!」
あれだけゴミの集まった塊はエネルギーを発し始め、それに伴いオレンジ色に発光し始めた。そしてその球体は今まさにアールバイパーの目の前で浮遊している。その禍々しい3本の爪を勝手にギチギチとうごめかせながら。
提督「あれは『
アンカーフォース
』。バイド粒子を集め、それを限界まで圧縮することでフォースを即席で生成したというのか!?」
あまりのバイド係数の高さから光学チェーンで繋ぎながら運用するフォース、そのアンカーフォースが俺の目の前にあるのだ。
弾幕や敵に貪欲なまでに喰らいつき、己の力にするまさに人類が制御するバイド。それがフォースである。特にこのアンカーフォースは見ての通り、標的にその爪が深々と突き刺さって、一度喰らいついたらなかなか離れない凶悪なフォースである。
ゲインズ「○○よ、そのフォースの使い方は分かっているのか?」
貴方「ああ、俺も今すぐ試してみたい」
普通の弾幕ごっこではこんなの禁じ手だろう。だが、今は一刻の猶予も残されていないのだ。何もかもが手遅れにならないようにするためにも、俺はこんなところで時間を潰している暇はないっ! 悪いが今はこいつを使わせてもらうぞ。
貴方「禁術『アンカーフォース』!」
本能的感覚で危機感でも覚えたのか、嫉妬妖怪はデタラメに弾幕を展開する。自らを中心に花火のように拡散するそれは特に趣向も凝らしていないもの。俺はその真っ只中でリフレックスリングを射出した。
解き放たれると共に狂えるケダモノは唸りをあげて標的めがけてとびかかる。無数に放射状に広がった弾の壁を打ち破りながら。
パルスィ「ひぃっ!?」
その正体を知らないものにとっては悪夢以外の何物でもないだろう。いくら弾幕を浴びせてもそれを吸収し、ただただこちらに食らいつく無慈悲なケダモノなのだから。今も3本の爪をまるで猛獣の牙のようにガチガチと鳴らしながら、嫉妬妖怪に食らいついていく。
貴方「これくらいでいいだろう。フォースを呼び戻す……くそっ、こいつ命令を受け付けないぞ!」
提督「暴走しているのか? まるで『
カロン
』のフォースだな」
まずい、このままではバイドの犠牲者がまた……と思った矢先、暴走したアンカーフォースは急にドロリと溶けて、そして消えてしまった。
提督「やはり急ごしらえのバイド体では長時間の維持は無理か。生成した直後から激しく劣化を起こしていた」
つまりあのアンカーフォースは一度射出しただけで暴走する上に、生成直後から激しく劣化しているので短時間しか運用できないという色々な意味で欠陥品という事らしい。
パルスィ「今のもバイドの力? これ以上ならず者を地底に向かわせるわけには……」
再び攻勢に出ようとするパルスィが懐からスペルカードを取り出そうとした。だが、それよりも早く周囲に異変が生じ始めていたのだ……。
提督「ぐっ、まただ。また見えない力に引き寄せられる……!」
→
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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