どうにか臨戦態勢の皆を落ち着かせて、それぞれの境遇、そしてこれからの目的を嘘偽りなく公表していく。

貴方「俺たちは地底に吸い寄せられる黒い隕石を追いかけている。黒い隕石は要は幻想郷を侵略しようとするバイドであり、地底のどこかにそいつらを呼び寄せている親玉がいると踏んで地底にやって来たんだ」

ふむふむと頷く鬼とイチモツのバイド。ゲインズが続けようとしたが、俺が代弁したほうがよさそうだな。

貴方「でも中には理性を残して俺たちに味方してくれるバイドもいるの。そいつらは『ジェイド・ロス提督』っていう元人間で今はバイドの……」
バラカス「待ってくれ! 黒い隕石は周囲をバイドっぽくする恐ろしい能力を持っているようなんだけれど、ひょっとしてそれで人間もバイドになっちまうのか? 俺そんなこと出来ないべ?」

あれ……。バイド化を知らない? これは一体どういう事だ?

ゲインズ「帰る場所がないだとかヒッソリ生きているとか鬼の娘に聞いたのだが?」

バイド化した人間は元いた地球で受け入れてもらえずに帰る場所を失う。普通はそういう運命をたどるのだ。ゆえにバイドはただ故郷に帰りたかっただけとも言われている。てっきり俺はこいつら元人間であり、紆余曲折を経て幻想入りしたものと思っていたが……。

バラカス「ああ、俺の母星はとっくにR戦闘機に壊されちまったからな」

これはこれで随分と壮絶な過去なのであるが、バラカスはケロリと言いのけていた。それにしても母星だって? バイドといえば異層次元とかいう亜空間みたいな場所を本拠地にしている筈であり、故郷の星なんてのは聞いたことが……いや待て、もしかしたらそういうことかもしれないな。ちょっとこの質問をぶつけてみよう。

貴方「その母星って、もしかして『バイド帝星』ってやつ?」
バラカス「っ!? どうしてそれを……?」

そういうことか。今回のバイド異変が起きる前から幻想郷に住み着いていて、勇儀がよく力比べをしているというバイド達の正体が分かった。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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