今回の異変で降り注ぐ侵略者もバイドだし、その異変が起きる前から地底に住み着いていたグロテスクな怪物どももバイドだ。だが、この両者は同じようでいて全然性質の違う存在ということだ。
「R-TYPE」、それは人類とバイドの戦いをテーマにしたシューティングゲームである。
その中に出てくるバイドと言えば26世紀人が生み出した生体兵器のなれの果てであり、あらゆる物体に取り付くことで対象をバイド化させるという恐ろしい存在であった。
しかしその設定は長く続いたシリーズの途中で後付のように組み込まれたもの。初期のうちはただのグロテスクな外宇宙からやって来た侵略帝国という設定しかなく、母星もちゃんと存在していた。
なにより初代R-TYPEのタイトル画面には「BLAST OFF AND STRIKE THE EVIL BYDO EMPIRE!」、平たく言うと「悪のバイド帝国をやっつけろ!」と出てくるくらいだ。
つまりこの目の前にいるバラカスは設定が再構築される前のバイドということになる。おそらくバイドが今の設定にリファインされた時に幻想入りしたのだろう。
つまり区別をするなら、ジェイド提督やゲインズ、そして幻想郷を侵略するバイドどもが「現行バイド」で、バイド化という概念がなく、母星を失い地球を第二の故郷としたバラカスのような奴らは「原始バイド」といったところか。
ゲインズ「その顔は何か理解したな。某にも説明を」
貴方「うん。ただ非常に複雑な事情があるようだ。分かりやすくザックリ言うと、偶然同じ名前と似たような容姿を持ったまったく別の種族ってこと。前々から幻想郷に住んでいたようだし、区別して名づけるなら『原始バイド』ってところかな」
当のバラカスはイチモツをピョコピョコ跳ねさせて嬉しそうにしていた。
バラカス「原始バイドだって。なんかイカすね! バラカス、原始回帰……なんつって///
幻想郷ってところに来てからは毎日が楽しいよ。コソコソしないで済むし、罪袋や勇儀ちゃんみたいな遊び相手もいるし、今日はカッコいいニックネームまで貰っちゃった♪」
何か知らないが打ち解けたみたいだ。
勇儀「今日はいろいろあり過ぎて疲れてしまったよ。バトルはまた今度にしてくれないか?」
そりゃそうだろう。ゲインズともやり合っているし、さすがの鬼もクタクタの筈。
バラカス「ちぇー。じゃあまた今度遊ぼうね。よーし帰ろうぜ我がソウルフレンドよ!」
罪袋ども「ういーっす!」
原始バイドか……。変態ではあるが悪い奴ではなさそうだ。原始バイド達も今回の異変でかなり風評被害を受けているようなので何かあったら手助けしてくれるだろう。
バラカス「ああそうそう。君は色々とイイコトしてくれたから俺もイイコト教えてあげよう。真っ黒い隕石だけどね『地霊殿』っていうお屋敷に向かって真横に飛んでいくのを俺見たことあるよ。でもあそこの妖怪はとんでもなく恐ろしい能力を持っているらしい。とにかく一つ目に睨まれたら大変なことになるらしいよ。もしかしたら悪いバイドの親玉かもしれないから行くなら気を付けてね」
それだか口早に告げると今度こそやかましい変態集団は消えていった。そして彼らと入れ替わるように……
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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