プスプスと黒煙を上げていたアールバイパーはにとりの手によって今も修理を受けている。ムラサ船長が乗っていた空飛ぶ船「聖輦船」も同じく。それに加えてジェイド・ロス提督もまっさかさまに落ちて地面に頭をぶつけたので今も本調子ではないという。

提督「うう、随分強烈にぶつかったからな。私がバイドでなければ即死だった。とはいえ、私の都合に合わせてもらって申し訳ない……」

今もふらつく赤い巨体は白蓮さんやゲインズの手によって支えられている。誰もが満身創痍、そんな感じだ。

貴方「俺の都合もあるし、みんなもうかつに進軍できないんだよ。提督が悪いわけじゃない。それだけあのグリーン・インフェルノは強大な敵だったって事さ」

生身ではまともな戦闘などできない俺を置いて進むことは出来ない。俺もいずれ始まるであろう激闘に備え、体を休めておきたいところだ。しかし俺はある異変に気が付く。

貴方「あれ、パルスィは?」

先ほどまで共に銀翼に搭乗していた嫉妬妖怪の姿が見えないのだ。まさかあの「勇儀」とかいう友人に会いに行っているのではないだろうか? この市街地だって既にバイドが潜んでいる筈。どこで凶暴なバイドに襲われるかわからないような場所だ。

まともに動けるのは俺だけだな……。彼女だって手負いの筈だ。危険ではあるが連れ戻さなくては。俺は旧地獄市街地を探索する準備を始めた。

ネメシス「ヒトリ、アブナイ。イッショニ、イコ」
コンパク「……(こくこく)」

出発しようとした矢先、バイパーのオプションであるネメシスとコンパクが申し出る。そうだった、俺はバイドどころか元々ここに住んでいる妖怪に出くわしても危ないのだ。

「ありがとう」と一礼すると、ネメシスを肩にのせ、反対側にコンパクを従え、俺は街に繰り出した。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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