案の定、しばらく歩いて間もなく柄の悪そうなチンピラに絡まれる。辛うじて人の形はしていたが、品性の欠片もない妖怪どもだろう。皆ガッチリとしておりとても俺では太刀打ちできなさそうな相手である。
チンピラA「なんだぁ、ヘンテコなお人形さんを連れてる野郎がいるぞぉ」
チンピラB「オウオウ、食材のくせして今こっちにガンたれたろぉ?」
チンピラC「こんなところに丸腰で人間が紛れ込んでくるたぁ、襲ってくれって言っているようなもんだぜ」
わらわらと寄ってくると、逃げられないように取り囲んでくる。思わず「ヒッ!」と小さい悲鳴を上げてしまった。
チンピラA「でもよぉ、野郎なのが勿体ねぇなぁ。これが女だったらもっといろいろ楽しめたのによぉ」
チンピラB「いいじゃねえか。躊躇なく腹を満たせられるぜ」
そうやってとびかかった一人のチンピラに真っ白い霊魂が体当たりを仕掛ける。
チンピラC「ごふっ!? なんだ、今どこから……?」
コンパク「……!」
しゅるしゅると回転しながら、俺を守るようにコンパクは居座る。今も威嚇するように体を大きく震わせている。
チンピラA「なんじゃい、このわらび餅は?」
次の瞬間、訝しむチンピラの顔面が大きくめり込んだ。コンパクの突撃によって。
チンピラB「こいつまさかただの人間じゃない……? 妙な霊魂が傍にいるってことは……分かったぞ、こいつは半人半霊だ!」
なんか都合のいい勘違いをしてくれている。
チンピラC「なにぃ、半人半霊だぁ? あの武芸に秀でると言われているあの?」
チンピラA「つつつ……。それじゃあ『テメーらは3人まとめても半人前以下だから、半霊だけで十分だ』ってか? 舐めやがって!」
鼻血をボタボタと垂らしながら今も顔を大きな片手で抑えているチンピラ妖怪は今も鋭い眼光をこちらに向けてくる。こっちの勘違いはちょっと厄介である。
チンピラA「こンのぉ、わらび餅野郎っ!」
再び拳を突き出し突っ込んでくるチンピラだが、同じくコンパクが顔面に体当たりで迎撃。綺麗に決まったらしく、吹っ飛ばされたまま起き上がらない。ノックアウトしてしまったようだ。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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