チンピラC「あっ、アニキ! ちくしょう、よくも……」
チンピラB「おい、あいつヤベェよ! 俺達までやられちまう」

なおも激昂するチンピラ相手にコンパクは大きく体を震わせて威嚇する。その挙動にすっかりビビってしまった二人の妖怪は揃って尻もちをついてしまった。腰が抜けてしまったらしく逃げ出す気配はない。

ちょうどいい、あまりに情報が少なすぎる。ちょっとこいつらに聞いてみるか。ここにはパルスィの友人であるらしい「勇儀」ってのが居るはずで、あの時の彼女の狼狽えぶりからその勇儀ってのを訪ねている可能性が高いのだ。

貴方「おい、人を探している。パルスィってやつの友人に勇儀ってのがいるらしいが何処にいるか知らないか?」

こちらもハッタリで相手をビビらせているだけ。それがバレないようにとなるべく気丈にふるまう。ツカツカとコンパクを従えながら聞き込む。

チンピラC「し、知るわけないだろ! 彼女は『鬼の四天王』の一員なんだぞ。なんでまたそんな方を……?」
チンピラB「わ、分かったぞ。お前、勇儀さんに試合を申し込みに来たんだな。そんな奴に俺らがかなう訳ないって!」

最初のどすの利いた声からは想像できないほどの上ずった声。あの狼狽えぶりから嘘をついている可能性は低いだろう。

貴方「チッ、もういい目障りだ。そこで伸びてる奴を連れて俺の視界から消えろ」

コンパクが再び体を大きく震わせて威嚇すると、いまだ起き上がらないチンピラを背負って何処かへと逃げてしまった。

3人のチンピラ妖怪が立ち去ったのを確認すると恐怖から解放されたことから俺の体中がガクガクと震え、立っていられなくなりその場で崩れ落ちてしまった。その様子を見てコンパクが慌てて俺の目線の高さまで高度を下げてくる。

貴方「あ、ありがとうコンパク。助かったよ」
コンパク「~~♪」

優しく抱きしめながらハンカチで彼女についてしまった汚れをふき取る。そして彼女に支えられるように俺は再び立ち上がった。

なるほど、傍にコンパクを連れていると半人半霊と認識されるようだ。これなら無暗に襲われることもないだろう。安心した反面、アールバイパーやこの可愛いオプション達なしだと本当に自分は無力なんだなぁという事を思い知らされたのであった。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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