皆に促されるようにトリガーを引こうとした俺は、突如響いた甲高い悲鳴のような声で集中が途切れた。いや、我に返ったと言うべきだろうか?

さとり「だめっ! お空を、お空を殺さないでっ!」

なんと声の主はお燐やお空の飼い主であるさとりのものであった。あれはパニックを起こして泣き叫んでいるのか、お空のもとに近づこうと浮遊して近寄ろうとする。そんな彼女を止めたのは白蓮であった。

白蓮「さとりさん、あの子はもうさとりさんの知るお空じゃないんです。あれはもう生体兵器『バイド』なんです。幻想郷の為にも、そして何よりお空の為にも、もうこの世に留めておいてはいけないのです」

ガッチリと胴体を掴まれるも両手をジタバタとばたつかせて抜け出そうとするも、身体強化を施した白蓮さんから逃れられるはずもなかった。今も喚き散らすさとりに今度はお燐が近寄り、そしてその頬を思い切り平手で叩いた。

お燐「さとり様! あたいも怒りますよ。ちゃんと見てください。お空はもうバイドに成り果ててしまったのです。アレを元に戻す手段なんてないから、どうにかするにはあの肉体を破壊する以外にない。あたいだって、辛いんですよぉ……ぐすぐす」

余計な邪魔が入ってますます俺の決意が揺らいでしまう。だが、お空が完全に目を覚ましてしまった。まだ戦う程に肉体は回復していないとはいえ潰しておかないと大惨事になるっ!

さとり「違うわっ。私はちゃんとお空を見たいのに、『見ることができない』。だから『こそ』貴方達を止めたの!」

なんだと? どういうことだ? 再び力の入り始めた指が緩む。

???「まったく、愛しのペットの命がかかっているからって、私の腕をすり抜けるなんてさ。もしや火事場の馬鹿力ってやつかねぇ?」

誰だ、さとり以外にも誰かいるっ!




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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