提督「幸いにも通路は狭い。私自らを溶岩に対する防壁とする。『コンバイラリリル』の姿になればそれも可能だ」
それだけ告げると両サイドのスラスターに光を収束させる。そんな、そんなことをしたら……!
貴方「それじゃああんたが、誰よりも地上への帰還を心待ちにしていたジェイド提督がっ……!」
俺の叫びは通じなかったのか、溶岩に向かい加速するコンバイラ。ボコボコとその機体を膨張させ、通路の狭い場所へひたすら向かう。
提督「これで、いい。ゲインズが死んでから、私はずっと考えていたのだ。この地底での戦い、そのどこで幕を引くのかを。地上に帰っても私は結局バイド、いつ破壊本能に負けて暴れ出すかもわからぬ存在。私は最期まで人間としての心を持ち続けたいのだ」
一度「コンバイラベーラ」と呼ばれる形態を挟み、更に自らの体を肥大化させていく提督。
提督「さあ、ひじりんと一緒に地上へ行くのだ。○○とひじりんならきっと出来る。妖怪と人間が手を取り合う世界を作ること。誇るのだ、君はバイドとさえ仲良くなれたのだから……」
後ろでは拳が岩を砕く音が何度も響く。わずかに岩盤の向こう側が見えた気がした。
提督「ぐうあああ! 私が栓になっているうちに、行くのだ! 溶岩のエネルギーはすさまじい、このままでは私とて防ぎきれない! 行け、君たちこそ幻想郷の希望だ!」
バラバラと岩の崩れる音、遂に縦穴への道が開かれたのだ。白蓮さんに銀翼ごと担がれながら、俺はコンバイラリリルと成り果てた提督から離れていく。
貴方「提督、ていとーく!」
提督「これでいいんだ、これで。君のおかげで私は最期まで人間でいられた。私は誇りを持って『あっち』でゲインズ達にも顔を合わせられる。さらばだ○○、ありが……」
次の瞬間、爆ぜた。コンバイラリリルの体が押し寄せるマグマの勢いに耐えられずに。俺と白蓮、そしてお燐は間欠泉地下センターの竪穴まで移動すると、そこから一気に上昇した。あそこを抜ければ光注ぐ地上だ。
あれだけの想いを胸に、提督は体を張って俺達を守ってくれた。その犠牲、無駄にはしない!
貴方「溶岩が迫っている。白蓮、お燐、速度を上げるぞ!」
→
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
お気に入り登録
/
登録済み一覧
セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら