アーヴァンクは恒星弾の隙間を埋めるように放っていた青色の弾目がけて波動砲を放ったのだ。

白く光る球体をゆっくりと撃ち出すと、途中ではじけ飛んだ。そしてその周囲の空間に破片が漂い始める。よく目を凝らして見てみると、それらがアーヴァンクの鱗であることが分かった。

アーヴァンク「別名『スケイルディフェンス弾』。実弾兵器ならこいつでみんなシャットアウトだ。レーザーの類もピカピカに磨いた鱗が乱反射させてしまうから威力が分散されてしまう……まあ守れてはいないがな。とにかくミサイルの類を防ぎたいならこいつの出番さ」

スケイルディフェンス弾の効果が切れないうちに今度はバイドシステムαが攻勢に出る。場所を譲ったのか、アーヴァンクは必要以上に距離を取っており、俺にももっと離れるようにと促された。どういう意味かと訝しんでいると、アルファの後部から波動砲が撃ち出されたのだ。

バイドシステムα「ありがとよアーヴァンク、心置きなく全力を出せたぞ。デビルウェーブ砲!」

そうだった、こいつの波動砲は尻から出るんだった。ワシャワシャと這い寄るバイドの姿をした波動エネルギーはそのまま弾幕を避けながらお空へ一直線に突っ込んでいく。

バイドシステムα「敵を破壊する本能によって動かされた波動エネルギーだ。どこまで逃げても俺が敵と認識した相手を追いかけまわすぞ!」

デビルウェーブ砲がお空の右腕にクリーンヒットすると流石にお空も怯んだようである。一時的に弾幕も止んだが、再びあの太陽弾を放つために周囲のバイドエネルギーを集め始める。アールバイパーのシステムボイスもまたけたたましく警告を促してくる。

アーヴァンク「この瞬間を待っていた! スケイルディフェンス弾っ!」

弾幕が止んだことでさらに接近の出来たアーヴァンクは近距離から鱗の波動を放ち、お空の周囲に無数の鱗を漂わせる。波動砲の直撃でもそれなりのダメージを与えられたようだが、デビルウェーブ砲に比べると威力も控えめのようで、怯む様子を見せない。

が、信じられないことが起こった。周囲を漂っていた鋭利な鱗が、一つ残らずお空に襲い掛かり、その身を切り裂いたのだ。

お空「!?」

アーヴァンク「どうだいお嬢ちゃん、ピカピカに磨いた俺の鱗の味は? バイド体を吸い寄せているのなら、当然俺の鋭い鱗も吸い込むよな。でもそんなに一気に吸い込んだら……そうなるわなぁ」
バイドシステムα「すげぇぞアーヴァンク。頭脳プレーってやつじゃん!」

それぞれの傷は浅いものの、あちこちから小さく出血を起こしており痛々しい。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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