今のはバルムンクの爆発だろう。お空の光弾によって推進力の強化されたミサイルがアーヴァンクの用意した鱗の防壁を貫通して着弾したのだ。防壁などいざ知らずと言わんばかりの火力の塊が、あらゆる鱗を貫き、そして着弾したと言えよう。
俺と同じく吹き飛ばされたバイドシステムαが先に爆心地に駆け寄っていた。
バイドシステムα「おいっ、しっかりしろ! 目を覚ますんだアーヴァンク!」
あれでは即死だろう。わずかに残った鱗の欠片に声をかけても答える返事などある筈がない。キラキラと暗闇の中でわずかに光るは地獄の太陽に照らされたアーヴァンクの鱗。それらが風もないのにふわりと飛んでいく。その先には……。
お空「まズは1機……」
無力化したバイド体としてお空と融合していったのだ。いや、食料として捕食されたという表現の方が適切か。
バイドシステムα「ひぃ!?」
彼の悲鳴は戦友の無残な姿、そしてその末路に戦慄したから。それだけではない、雄たけびを上げたお空が背部でジェット噴射のような炎を上げながら、今度はバイドシステムαに急接近、そして掴みかかってきたのだ。
お空「うフふ……。アなたも、フュージョンしマしょ♪」
バイドシステムα「嫌だっ! やだやだ! 助けてくれー!」
ジタバタと機体を揺らしもがいているが、脱出できるようには見えない。あのままではバイドシステムαまでやられてしまうだろう。助けてやりたいが俺は俺で遠くに飛ばされてしまっている。
誰かを守るには「菊一文字」が一番だが、距離が足りない。オプションたちに運んでもらっても届かないだろう。残る兵装はハンターとニードルクラッカーだが、どちらも精密射撃には向かないし、火力もオーバーウェポンがなければ微々たるものであろう。
さっきのバルムンクみたいに精密射撃が出来てなおかつ高火力の武器なんて……。
システムボイス「You got a new weapon!」
まさかバルムンクが? だとしたら都合がよすぎるが、もはや神頼みといった状態の俺。だが、ディスプレイに目を移すと確かにミサイル系兵装の部分がモザイク状に画像が乱れているのだ。もしかしなくても先ほどのお空の一撃がトリガーとなって兵装が目覚めるのだろう。これはもしかしてしまうのだろうか?
程なくして光をまとい、直進するミサイルのアイコンが表示された。この兵装の名前は……。
システムボイス「PHOTON TORPEDO」
「
フォトントーピード
」と言っていたな。和訳すると「光子魚雷」といったところか。俺の知っているフォトントーピードはザコ敵を貫通する対地ミサイルであった筈であり、バルムンクとは似ても似つかない兵装の筈であるが……。
貴方「ええい、ままよ!」
お空の右腕に狙いを定め、ミサイルを発射する。
→
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
お気に入り登録
/
登録済み一覧
セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら