それは琥珀色をした太陽系そのものであった。太陽にあたる場所で真っ黒な瞳孔がこちらを今も睨み付けている。しかし瞳孔だけでは相手の感情はうかがない。いや、そもそも感情なんてあるのだろうか?

太陽系を模しているだけあって、その周囲をたくさんの球体が回っている。確か惑星の順番は「すい、きん、ち、か、もく、どっ、てん、かい」と続いて最後に準惑星である冥王星だったはずだ。

神奈子「この惑星の模型で防壁のつもりなのかねぇ? 進撃の邪魔だし壊していったほうが……」
提督「ダメだ、惑星を壊すことは許可しない!」

反射的に声を荒げて反対するのは提督のもの。その大きな音は奇妙な感覚で反射し響く。正直えもいわれぬような感覚を覚えたが、そんなのお構いなしに言い返す神奈子。

神奈子「あァん、指図するのかい? いつから私はアンタの部下になった?」

この緊急時だというのにそんな些細なことで声を荒げている神奈子。食って掛かる戦神を白蓮さんが取り押さえた。

白蓮「こんなことで言い争いをしている場合ではありませんっ! 私達は敵の術中にはまっているのですよ!」

尼僧の必死の説得でいくらか冷静さを取り戻した神奈子であったがまだ不満げであった。

神奈子「でもなんでこんな邪魔なのに放っておかないといけないのさ? これはあくまで幻であって本物の星ではないんだろう?」
早苗「あの……神奈子様、私もこの惑星の模型に手を出すことには反対です。理由は分かりませんが、手を出しちゃいけない。そう思うんです。そうでしょう、提督?」

悠々とめぐってくる惑星の模型に目をやる早苗さん。提督もただ静かにウムと頷くのみであった。確かに惑星の模型を壊して進むという事はいずれ地球の模型も吹き飛ばすことになる。そう考えるとあまり気分のいいものではないな。

神奈子さんはまだ不服そうであったが、俺も早苗さんと同じ意見だと口にしたので、それ以上何かを言ってくることはなかった。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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