俺はゆっくりとレイディアントソードを前に突き出しながら低速で前進する。ホログラムの方もすぐさま剣を前に突き出していた。剣先同士がぶつかると互いに弾かれて軌道がずれる。これなら安全に接近できるぞ。
早苗「その構え、もしやサンダーソードを使うつもりですか? 確かに至近距離でのフリーレンジに匹敵する火力ですが、圧倒的に火力があるわけではありませんっ! きっと結果はさっきと同じです」
そう、早苗が言うように俺が考えているのはオーバーウェポンで使用するレイディアントソード、つまり「重銀符『サンダーソード』」を発動することである。だが、普通に使っていたのではやはり火力が足りないだろう。それは俺にも分かっている。だが、俺には一つ考えが浮かんでいた。
俺の使うオーバーウェポンはオプションに貯蔵された魔力を一度アールバイパーに収束させて、その後で武装に過剰なほどに魔力を注ぐというもの。普通は安全性を考えてオプションを回転させながら均等にゆっくりと魔力を収束させていくものだ。
だが、その方法では集まる魔力に限界がある。持続力こそあれど、このように魔力を集めるペースが遅いと途中で空気中に分散してしまい、一定以上に魔力が達しないのだ。
そこで俺はオプション1つから一気に魔力を引き寄せる。俺の持つオプションは3つ。その工程を同時に3度行えば単純計算で普通のオーバーウェポンの3倍の魔力を武装に流すことが出来るのだ。その分持続力はなくなるであろう。いわば電池の並列つなぎと直列つなぎの違い。
貴方「オーバーウェポンを同時に3回使う。いわばオーバーウェポンの重ね掛けだ。単純計算で通常のサンダーソードの3倍の火力になる」
早苗「ええっ! 確かに理論上は可能ですが……そんな膨大な魔力、アールバイパーが耐えられるのでしょうか?」
白蓮「アールバイパーもそうですが、○○さんも膨大な魔力に晒されることに……危険すぎますっ!」
危険なのは承知だ。普通に使うオーバーウェポンでも俺の体に負担がかかる。だが、今の状況を打破するには……。
リリーホワイト、ゲインズ達バイド艦隊、八咫烏……。この異変の犠牲となり散っていった皆の気持ちを無駄にしない為にも俺はやらなくてはいけない。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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