今までバラバラに出てくるだけであった銀翼の形をしたものが、まっすぐと飛行を始めたのだ。緑色のホログラムのように半透明の体を持ったニセモノのアールバイパー、それが編隊を組んでこちらに迫ってくるのだ。

神奈子「こいつ、アールバイパーそのものじゃなくてデータが目当てだったのね! でもまるまるコピーじゃないの!」

人のオプションを勝手に解析して技術をコピーしようとしたお前が言うな。まあいい、邪魔なホログラムはこの俺がぶっ壊してやる。そう思って俺はホログラムのバイパーに接近する。しかし、俺が移動すると異常な反応で逃げていく。今度は距離を取ろうとすると逆にこちらに迫ってくる。

貴方「なにっ! こっちの動きまでトレースしているのか!?」

そう考えるともしも俺が何らかの攻撃をしたら、このコピーされたバイパーから一斉に……。なんてこった、これではうかつに動けないじゃないか! 仕方ない、こうなればもう一度提督に波動砲を依頼して……。

提督「すまない、さっきので砲門が破損してしまった。フラガラッハ砲はもう撃てない……」

バチバチと漏電している砲門。そんな、バイドを屠るフォースも波動兵器もなくなってしまった。何か手はないのか、そう思考を巡らせていると早苗さんがバイドの本体に急接近していた。

早苗「なるほど、こういうシチュエーション、覚えがあります。ホログラムのアールバイパーは本物のアールバイパーの動きに反応しているようです。つまり○○さんがじっとしているとホログラムの方もただゆっくり前に進むだけ」

確かに早苗さんの跨る戦闘騎の動きにはまるで反応していないようだ。狙われようが隣のホログラムが破壊されようが、お構いなしに前進している。その様はまるで痛覚などないゾンビの群れに迫られているようで、これはこれで気色悪いのだが。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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