(地霊殿最深部……)

薄暗い地底に構える屋敷「地霊殿」はその場所柄からあまり明るくなく、かの紅魔館にも劣らない陰鬱な雰囲気を醸し出している。

とはいえ地霊殿は日の光を忌み嫌う吸血鬼の館ではない。そんな現状はこの屋敷の主にとっても不服なのだろう、窓という窓は色とりどりのステンドグラスで出来ており、わずかに入り込む光を上手に活用して彩を与えているのだ。

その主はというと特に外出の予定もないのか、スリッパを履きながら大きな椅子に腰かけている。そしてその周囲には無数の小動物たちが放し飼いにされているのだ。どうやら彼女はペット好きであるらしい。

そんなペットたちの中に、1匹の黒猫が紛れ込んできた。威勢よく「にゃーん」と声を上げると主の膝に飛び乗り、ゴロゴロと寝転がる。動物、特に猫好きな人にとってはこれ以上ない至福の時であろうが、当のさとり主本人の表情は晴れない。

地霊殿の主「そう、そんなことが……ね。大丈夫よ(なでなで)、これ以上は奴らに好き勝手なことはさせないわ。それにしても危険だったし、何より怖かったでしょう? とにかくご苦労様。少し休んでくるといいわ。あとは私に任せない」

動物の言葉でもわかるのか、この黒猫が何を言いたいのかしっかり手にとって分かるようである。

黒猫は大あくびをしながら再び「にゃーん」と声を上げると、バッと床にジャンプして部屋の隅っこで丸くなった。対する主は椅子から立ち上がり、扉を険しい表情で睨みつける。

地霊殿の主「地上は地上で侵入者もいるようね。土足で入り込んで平穏な日常を破壊する侵略者にこれ以上好き勝手なことはさせない! 撃退してやるわ……」



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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