しかしゴーレムの時と違って俺達は大所帯である。流石のバイターもコンバイラや命蓮寺のメンバーを一度に食べるのは無理と判断したか、口からヒルのような生き物を大量に吐き出してきた。

あれはバイターの幼体か何かだろうか? あれを取りつかせて体力を奪い、動けなくなったところをゆっくりペロリって魂胆だろう。

貴方「弾幕を張るんだ。1匹残らず迎撃しよう!」

ウネウネとただまっすぐ向かうバイターの幼体に対抗するべく、無数の弾幕が飛び交う。なすすべもなく迎撃されると、全てを喰らうのが無理と判断したのか、一人に絞って突っ込んできた。その相手は……

貴方「白蓮っ! 危ない!」

バイドだったり機械だったりするメンツの中で唯一の人間(厳密には魔法使いだが)となれば、真っ先に標的になる。俺は機体を平行移動させ、白蓮さんの目の前に躍り出た。

白蓮「○○さんっ!」

これが生身だったら俺は生きていないだろう。だが今は違う。銀翼が、アールバイパーがこの状況を打開する。オプションを限界まで展開し、レイディアントソードを突き出す。バチバチと青い刃が帯電を始めた。

だが、まだだ。もっと引きつけて……。奴の大きな口がアールバイパー全身を飲み込んだ。このまま口を閉じれば俺はゴーレムと同じ運命をたどることになるだろう。だが、まだなんだ。もう少し……。

赤黒い喉の奥が迫ってくる。あの先に待ち受けているのは「死」そのもの。その真黒な喉の奥に……見えた、あそこだっ! あの喉の奥の電球のような物体こそバイターのコア。限界まで魔力を帯びたレイディアントソードを一気に解放する。

貴方「そこだっ、重銀符『サンダーソード』!」

バイターの口内で雷が爆ぜた。激しい閃光を散らし驚いたバイターは大きくのけぞると、そのまま尻尾を巻いてどこかへと逃げて行ってしまった。むう、サンダーソードといえど一撃で倒すのは無理だったか。

まあ奴はバイドでも何でもないし放っておいても問題ないだろう。屈強な地底の妖怪どもならただ食い意地が張っているだけのバイターくらいなら不意打ちでも食らわない限りは対処も難しくない筈だ。

白蓮「今までの行いが悪いとはいえ、さすがにあの最期はちょっと可哀想……」

そう思うのも無理はない。いや、普通はそう思うはずだ。俺は幻想入りして戦いに明け暮れるようになってから、いや厳密にはリリーホワイトを殺めてからその辺りの感覚がマヒし始めているのかもしれない……。

だが、俺達に停滞は許されない。この地霊殿に潜むバイドの親玉を砕くまでは……。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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