そうしているうちに後ろに控えていた提督達が砲門や銃口に光を携え始める。
提督「波動砲チャージ完了。射線上にいるものは速やかに避難せよ!」
心が読めるのならこの作戦だって分かっていたはずである。だが、さとりは悔しそうに唇をかみしめているのみである。
白蓮「相手の手が分かっていても、上手く対処できない。そういうことでしょう。ジェイドさん達が少数精鋭との戦いになれていないように、さとりさん……いえ、私達幻想郷の少女もこのような戦い方には慣れていないのですから」
背後に控えていた提督たちが波動砲を当てるべく接近する。対するさとりは弾幕による攻撃は無理と判断したか、レーザーを当てる為に狙いでも定めているのか、ガイドとなるであろう光を薙ぎ払うように照らしている。
提督「む、この光は……? なるほど、そういうことか。ライトに照らされたら避けるんだ」
しかし狙いを定めて攻撃に移るまでに時間がかかりすぎており、大した被害を出すには至っていない。
ついに提督たちが射程距離内に標的を捉えた。発射の号令と共にまばゆい光が地霊殿を包み込む。これだけの波動砲を喰らえばひとたまりもない筈だ。
閃光と爆炎、そして煙で周囲が何も見えないが、確実に仕留めただろう。いや、若干やりすぎたか?
さとり「ケホケホ……なんて威力よ。でも見えたわ。貴方達のトラウマが!」
ボロボロになりながらも、したり顔を見せる地霊殿の主。さすがに手ごわいか。
それにしてもトラウマだって? そんなものでどう戦うというのか? ええい、訳の分からぬことを言っているが、降参しないというのなら更に追撃を決めなければならない。
貴方「提督、あいつ全然へこたれてないよ。もう一度波動砲をぶちかまそう!」
しかしバイド艦隊は微動だにしない。あれだけハキハキと艦隊に指示を出していたジェイド・ロス提督も何かに恐れて小刻みに震えているように見える。
貴方「おい、どうしたんだ?」
一体何が起きたんだ? あれだけ勇ましく戦っていたというのに今ではすっかり怯えきってしまい、これでは完全に無力化されているようなものだ。
提督「あ、あああ……!」
バイドシステムα「なんで……なんで……?」
何か見えない脅威に恐れおののくバイド達。対するさとりは不敵な笑みを浮かべている。胸の目玉が異様に血走っていたりもした。
さとり「だから言ったでしょう? 貴方達のトラウマを見つけたと。ほら、貴方にも見えないかしら、あの『夏の夕暮れ』とやらが」
銀翼と妖怪寺AXE VIに続く……
あとがき
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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