コンバイラに格納されてどれくらいの時間が過ぎたのだろうか? わずかに機体が揺れると提督の声がどこからか響いてきた。

提督「お待たせ。君の相棒の場所まで到着したよ。河童の娘がしっかりと修理してくれたようだ」
ゲインズ「○○殿、こちらが出口である」

ゲインズに連れられて開いたハッチから地上に降り立った俺。前を見えるとピカピカに磨かれたアールバイパーと白蓮さんが出迎えてくれている。後ろには同じくバッチリと修繕された聖輦船が控えており、見事に体勢を立て直したことが分かる。

白蓮「急にいなくなるから心配したんですよ?」
貴方「すまない、俺も何かしないとって息巻いていたからね。でも色々と有益な情報を得られた」

今まで俺の脚で回り見てきたことを白蓮達に話していく。

白蓮「地霊殿……。確かにバイドの種子は地霊殿に集まっているのですね?」
貴方「ああ、目撃情報もある。あまり考えたくないがバイドの親玉ってのは……」

脳裏にフラッシュバックする地上の惨劇。光の針で春告精をハチの巣にしたあの記憶が……。クソッ、やはりそう簡単に克服できないよな。思わず奥歯をギリと鳴らす。

白蓮「地霊殿と言えば『古明地さとり』さんのお屋敷。そんなっ、さとりさんはもう……」

またも幻想郷の少女がバイド化してしまったというのか? いやいや、そう決まったわけじゃない。忌まわしき思いを断ち切るように俺はブンブンと首を振った。

貴方「今ハッキリしているのは、地霊殿のどこかにバイドを集めている黒幕がいるってことだけだ。俺達はその黒幕を倒して地上と地底の平和を取り戻しにここまで来たはずだ! ここまで来た……来てしまったんだ、どんな結末が待っていようとバイドを倒して進むしかない!」

俺は我が相棒たる銀翼のコクピットに乗り込む。ああ、やはりこの乗り心地だ。体にしっかり馴染んで安らぎすら覚える。一息つくと俺はエンジンを動かし始めた。

提督「その意気だ○○。今更引き返せない。バイドを倒して地上に帰ろう!」

今も震えが止まらない白蓮さんであったが、本当は俺だって怖い。またも少女をこの兵器で殺めなければならなくなるのかと思うと恐怖しないほうが異常であるのだ。だからこそ、俺はより大きく声を張り上げたのだ。自らを鼓舞するために。

貴方「さあ……」

目的地は地霊殿。ジェイド・ロスの艦隊たちも出撃の瞬間を待ちスタンバイを始めていた。そしてジェイド・ロス少将が号令をかける。

提督「行こうか! 出撃っ!」

無数のバイドが、提督が、銀翼が、轟音を響かせて地底を飛翔する。遅れて白蓮さんと聖輦船がその後を追う……。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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