パニックに陥ったゴーレムは触手をバタつかせながら脱出を試みるが、とても抜け出せそうにない。どうにか鋭いキバの間から這い出ようとすると必死に声をあげる。
ゴーレム「なぁ、助けてくれよぉ。お願いだぁ!」
先程とは打って変わった口調で懇願している。だが、ずる賢いこいつを助けたところで何のメリットもないだろう。有益な情報も全部吐き出してしまったようだし。なおもゴーレムはガブガブと何度も噛みつかれている。
ゴーレム「そうか、永遠亭での出来事を根に持ってるんだな? 俺はあれから変わったんだよ、心を入れ替えたんだ。だからさ、この俺を仲間にしておくれ。そしてここから出しておくれよぉ!」
何度も噛みつかれることで血まみれになる脳みそ。抵抗するために激しく動かしていた触手の動きも弱まっていく。助けようとしたのか、白蓮が動こうとしたので俺は止めた。
貴方「こいつは手の平返しですぐに態度を変えるような奴だぞ? 特に俺なんていつ寝首をかかれるかわかったもんじゃない。助ける必要はないさ」
ゴーレム「そんなぁ……。ヤダよぉ、こんな奴のエサになって死にたくないよぉ! そうだっバイド、お前らバイドをやっつけたいんだろ? 俺もさとり様も地霊殿に勝手に入り込んでくるバイドにはほとほと迷惑しているんだ。ほら、利害が一致した。だからさ……今度だけっ、今度だけでいいんだ、一時的に手を組んで……」
不意にバイターが体を大きくひねらせる。ゴーレムの片方の触手がブチブチと切れて、奴の腹の中へとおさまっていった。
こいつは今でこそ「さとり様さとり様」と地霊殿の主を慕っているようだが、いずれは裏切るつもりのようだった。俺たちの仲間になったところで奴は同じことをするだろう。こんな奴を信用することは俺には出来ない。
自分でも恐ろしくなるほどに俺の意識は冷めていた。そのまま冷たい視線を向ける。
ゴーレム「おね……がい、たす……け……」
次に大きく天に向かって首を上げるともう片方の触手も引きちぎり、そして瞬く間に脳みそがバイターに飲み込まれてしまった。
次にバイターが眼を付けたのは俺達。血生臭い息を吹きかけながらヨダレを垂らしつつこちらににじり寄ってくる。どうやらゴーレム1体では奴の腹は膨れないようだ。
貴方「来るぞ!」
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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