何を血迷ったのか、気が付くと俺はその拳を化け猫相手に突き出していた。
コンパクが無力化している今、銀翼に乗らない俺は何の戦力にもならないただの人間。こんなことをしても返り討ちにされるのは明白だ。
案の定、化け猫は音もなくその場で跳躍すると俺の拳の上に乗り、そして腕をその牙で思い切り噛みついた。
貴方「がぁぁっ!」
パニックに陥った俺は必死に腕をブンブンと振り回して何とか振りほどこうとするが、牙も爪もガッチリと腕の肉に食い込んでおり、この程度では全然引き剥がせない。
暴れ回っているうちに浴槽で足を滑らせてしまう。しりもちをついた俺は腕からの出血で湯船が赤く染まるのを目の当たりにして、さらに恐怖心をあおられてしまう。ひぃぃ……
だが同時に化け猫もけたたましい鳴き声を上げながら飛び上がっていった。そうか、水にぬれるのを嫌ってお湯に浸された腕から離れたのか。
そのままずぶ濡れになった化け猫は「ニャーン」と弱弱しく声をあげながら逃げていった。
た、助かった……。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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