風呂から出ると着替えに袖を通す。お燐は脱衣所の隅っこで椅子に腰かけているが、なんか視線が気になって集中できない。よし、とっとと着替えて話を聞こう。
俺は適当な部屋を借りてじっくりと話を進めることにした。
貴方「よし、さっきの話を詳しく頼む。つまり、あんたの主であるさとりはバイド異変の首謀者ではないんだな? でも彼女は俺達の調査に非協力的だったぞ」
お燐「うん、あたいの魂をかけてもいい。さとり様はバイド異変の首謀者でもなければ賛同者でもないわ。でも協力できなかったのは……そのお兄さんの言う『首謀者』のせいかな?」
風呂場での人を食ったような態度とは真逆の面持ちで話してくれる。彼女は本当にさとりが好きなのだろう。今だって自分の身を挺してまで潔白を証明しているではないか。
異変の首謀者のせいで俺達に協力できなかった。つまり真犯人に脅されているとかかな? だが、真相はそんな単純なものではなかったのである。
お燐「さとり様はお兄さんの心を読んで地上での出来事を知っているんだ。バイド化した少女を手にかけたんだってね。そしてお兄さんはその異変の首謀者にも同じことをするんじゃないかってのを恐れている」
貴方「じゃあバイドを集めている黒幕ってのは……!?」
伏し目がちに、そして途切れ途切れにお燐は続けた。
お燐「そう、あたいと同じさとり様のペットだよ。お空、正しくは『霊烏路空(れいうじうつほ)』って名前でね。八咫烏の力を持った地獄の鴉なんだ。ちょっと忘れっぽいところはあるけれど、大切なことは絶対に忘れないし、あの子もさとり様が大好き」
そいつが黒幕か……。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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