(その頃地上、妖怪の山中腹部……)
水の楽園である河童の里は至る所から間欠泉が噴き上がり、時折マグマやそれに混じってバイドが押し上げられている。
ジュウジュウと水に冷されて固まる溶岩であり、被害の拡大は鈍りつつあるものの、それによりモウモウと湯気が立ち河童たちの視界を奪っていく。それこそ混乱しながら逃げ惑っていた。
ズドンと御柱が突き刺さり、溶岩の流れるコースを変える。空中ではマグマに混じって噴き出たバイドが飛び交っており、スキあらばけむりの向こうの河童を襲わんと狙いを定めているのだ。
神奈子「マグマを大きい水たまりに誘導した。簡単なものでいい、水をせき止める簡易的なダムを……ええい話を聞けぃ!」
訳の分からぬ言葉を撒き散らしながら河童たちは散り散りに逃げ惑おうとしていた。元々統率力がない上に非常事態でパニックに陥っている河童達だ。指示を出すのも一苦労である。
早苗「ふんっ、ていっ、やぁっ!」
山の神様があんな調子なので早苗さん一人でバイドの迎撃にあたっている。前後にショットを放つ「バックショット」を放ちながら、自らの機体を回転させることで広範囲のバイドを駆逐していく。
そうやって小型のバイドを倒しているうちに、やや大きめの四角いバイドが襲ってきた。
早苗「あれって『ドップ』じゃ……。速過ぎるっ!」
バイド汚染を受けて暴走した自走コンテナ「ドップ」の大群が早苗を襲う。どこに運ぶつもりなのか、それともバイド特有の破壊本能がそうさせたのか、早苗さんを引き潰そうと突っ込んできたのだ。
早苗「急いで迎撃を……やっぱりダメだわ!」
ドップの弱点は一方向のみに露出したピンク色の部位なのだが、不幸なことに早苗に迫る奴らは皆弱点を晒していなかったのだ。早苗は慌てながらも対処法を考える。
何とかして後ろに回り込む……絶対間に合わない。ハンターで後ろから狙い撃ち……数が多すぎて対処しきれない。フリーレンジを用いて遠くから狙い撃ち……高速で移動するドップに接近するのは危険。そして彼女の下した決断は……。
早苗「ウェーブショットに換装、オーバーウェポンを発動しますっ!」
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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