既に提督も白蓮さんも再びトラウマを見せつけられているようで動けないでいる、二人はさとりの配下であるバイド達の相手をお願いしようとしたのだが、どうやらその必要はないようである。くそっ、元々さとり一人であると分かっていたら連れて行かなかったのに。
だから俺が前に出た。恐怖に震える二人から注意を逸らす為。あらん限りの速度で一気に間合いを詰めて剣を振るう。その切っ先がさとりに一直線に向かい……いや、斬りつける直前に彼女の体がゆらりと揺れて刃はすり抜けてしまった。
さとり「貴方に精神攻撃は通用しにくいようですね。ならばいいでしょう。単純に力で、貴方が決して敵わない脅威を読み、それを再現させましょう……。想起『夢想封印』!」
不敵な笑みを浮かべたサトリ妖怪はグニャリと歪み、そしてあの紅白の巫女そっくりの姿へと変わった。
貴方「何するかと思ったら、ただのコスプレじゃないか!」
口ではそう余裕ぶっていたが、何か仕掛けてくるのは明白。案の定、巫女服姿のさとりは七色の光球を携え、自らを中心に高速回転させた。間違いない、あれは夢想封印だ。一度放たれるとまるで意志を持ったかのように追いかけまわす弾。それでいて威力は俺の「ハンター」を大きく凌駕する……。
回転する光弾はさらに大きさを増して今にも飛び出さんという勢いであった。ぐっ……いつ来るんだ?
…………
……
おかしい、いつまでも弾が飛んでこない。最初はこちらを徹底的に震え上がらせるためと思ったが、震えあがっているのは逆にさとりの方であったのだ。
さとり「おかしいわ、この先が見えない! 恐らくはホーミングさせるのでしょうが、その詳細な姿が分からない。どうして途中までしか心を読めないの!?」
途中まで……? そうか分かったぞ! この霊夢はあくまで俺の記憶の中に生きる霊夢。確かにとんでもなく強い。だがあまりに強すぎて俺には具体的に何をされて何を喰らって霊夢に敗れたのか、それを詳しく知らないのだ。
貴方「あいにく霊夢とやり合っているとき、その続きの記憶が俺にはなくてね。彼女はあまりにも強すぎて俺も何が起きているのか『分からない』うちに負けてしまったのだ。強そうだからって欲張りすぎたな!」
それを聞いてさとりは纏っていた弾をばら撒く。見た目こそ夢想封印そのものだが、ほとんど追いかけてこない。それに速度も遅い。
が、そのうちの一つが機体をかすめた。喰らっていないのにこの威圧感、圧迫感。かすっただけでとんでもない威力であることだけは分かった。こんなの喰らっていたらひとたまりもないだろう。だがしかし……
貴方「当たるわけないよなぁ! ホーミング武器はこうやって使うんだよっ。喰らえっ、ニードルクラッカー!」
咄嗟に避けようとしていたらしいが、全弾命中。さとりの巫女服が消えうせると再び第三の目でこちらを睨みつけてきた。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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