市街地から離れると灯りも減って薄暗く陰気くさい地区が増えてくる。そしてさらに進むと遠くにまた別の灯りがともっているのがぼんやりと見えてきた。
バラカス「お、見えてきた見えてきた。あれこそが我ら原始バイドの里なのさ。あと少しだから頑張ってね」
遠くの光がどんどんと大きさを増していき、そして入口まで向かうとその大きさに俺は圧倒されてしまった。本当に村になっているのだから。
白蓮「地底にこんな場所が……。私も知りませんでした……」
路面も舗装されておらず、市街地程に文明レベルが進んでいるとは思えない有様ではあったが、確かにそこには様々な住民は息づいており、バラカスが謙遜するほどに寂れているといった感じではなかった。
だが、少し不思議な面もある。まず結構バイドではない住民が目立つことだ。明らかに人型をした妖怪……というか罪袋がいっぱいいたり、さっきはバクテリアン戦艦ともすれ違った気もした。そして何よりも気になったのが、俺達がここを通るたびに住民たちは何故かひれ伏していくことであった。
そうやってこの里の中を歩いていると石造りの大きな建造物が見えてきた。
バラカス「ここが俺ん家。何にもないところだけど上がって上がって」
見るからに分厚そうな荒削りの壁面で囲われたその建物は、塔のようにそびえたつモニュメントが特徴的であった。まるでバラカスの頭部のような見た目の……。
白蓮「な、なんて破廉恥なっ///」
まあそりゃ「そのもの」だしなぁ、あのデザイン。このモニュメント、実はため池の中心にそびえたっており、時折その「先っぽ」から噴水のように水が噴き出ていく。そしてその水が石造りの壁を伝って滝のように落ちていくとお堀へと流れ落ちていく仕組みになっているようだ。
貴方「な、なんだよコレ? 里っていうかお城じゃん」
城の内部もやはりイチモツそのものやバラカスを模した像がいたるところに飾られている。この手のものが苦手な人なら発狂するレベルだろう。
白蓮「もしかして、貴方はここの王様なのですか? だとしたら里の人々がひれ伏すのも分かりますが……」
そして最後に通された部屋はひときわ大きかった。相変わらず鈍色の壁に天井と変わり映えがしない風景ではあったもののどこか貴族的な風格が漂った空間であった。
バラカス「いや、そんなものじゃないけどね。あいつら(そう言って取り巻きの罪袋達を指さす)が言うには俺はこの里の神様なんだって。このでっかい石造りの家も勝手にここにあった大岩を削ってあいつらがこさえてくれたんだ」
「さあさあ」と俺はやはり石を削って造られていたソファに座らされる。うむ、やっぱり硬い。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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