そのまま白蓮はコアの隠れている突起物を前にフウと一呼吸置くと、金剛杵を突き立て、圧倒的な速度でその中心に向かって拳を突き始めた。あまりの速さに拳が何個にも見えるほどである。
しかしバイド達が言うように限界まで身体強化した白蓮の拳をもってしても流体金属に覆われたXelf-16のコアに有効打を与える事は出来なかった。ゲル状の金属が衝撃を和らげてしまうのだ。
ゲインズ「ひじりん、これ以上は……」
提督「いや待て、あれを見るんだ」
よく見ると白蓮の突きは威力よりも速度を重視させたもの。そして的確に同じ場所を突くという精密さも併せ持っていたのだ。流体金属の装甲が薄まっていく。
お燐「まさか流体金属を超高速の拳でどけたというのかい?」
応える返事はない。ただひたすらに打ち込まれれる拳や蹴りの音が答えであった。
白蓮「天符『三千大千世界の主』っ!」
トドメと言わんばかりに跳び蹴りを放つ。まともに超人化した白蓮の猛攻を受けたXelf-16はたまらずに外に出てきた。あとはこの露出したコアに一撃を叩き込めば倒せる。ゼエゼエと息をつく白蓮であったが、持てる力を振り絞り再び巻物を掲げてトドメの一撃を放とうとする。
白蓮「いざ、南無……」
だが、白蓮は見てしまった。完全に無防備となったアールバイパー、つまり○○に熱された杭が突き立てられんとするところを。
白蓮「っ!? ○○さんっ!」
慌てて白蓮は踵を返し串刺しにされそうな貴方を救うべく踵を返す。1発目の杭を横から蹴飛ばすと更なる推進力を得て、銀翼を庇うように抱える。白蓮さんの力あって貴方が串刺しになることはなかった。しかし……。
提督「ひじりんっ!」
その代わりに白蓮が左腕を突き刺されてしまったのだ。苦痛に顔を歪める白蓮。どうにか針からは抜け出したものの、出血がおびただしく、反対側の腕で押さえている。これではしばらく攻勢に出ることが出来ない。
提督「いかん、波動砲だ。奴が再び流体金属の中に逃げ込む前に波動砲で奴を吹き飛ばすんだ! 誰か使える者はいないか? 私はまだチャージが済んでいない!」
名乗りを上げる声はない。みんな先ほどのビーム砲を喰らっており、波動砲のチャージどころではなかったのだ。
バイドシステムα「フォースもやられちゃったし、俺の『デビルウェーブ砲』じゃ、あそこまで届かないぜ」
提督「やはり駄目か……」
ゲインズ「いや、致し方あるまい。皆も疲弊しているのだ」
一度は引きずり出されたXelf-16のコアも静かに流体金属の奥へと沈み込んでいく。
お燐「そんな、あと少しだったのに……」
ゲインズ「しかし○○を見殺しには出来ぬ……」
あと一歩のところで打つ手なしという歯がゆい状態。白蓮も恨めしそうに逃げ行くコアを睨み付けていた。
白蓮「うう、もう少し早く気が付くことが出来れば……。うう、返事してくださいよ○○さん……」
ゲインズ「くっ、某も波動砲さえ無事ならば……」
今も意識のない貴方に必死に語り掛ける白蓮。その呼吸も次第に弱まっているように見えた彼女は一層語調を強めて貴方の名前を叫ぶ。
万事休すと思われたその時、今もあちこちでショートしている波動砲を手にしたゲインズが動き出す。
提督「ゲインズ、波動砲を失った君にも策はない筈だ。波動砲のパワーアップは後で必ずしてあげるから今は……」
→
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
お気に入り登録
/
登録済み一覧
セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら