静かにゲインズが誰よりも前に飛び出た。
ゲインズ「ジェイド殿、策なら我が手中に! 奴は流体金属の中に逃げ込もうとしている。そこに某も飛び込んで破損した波動砲に波動エネルギーを限界まで溜めこんで爆破させる! あらゆる攻撃の防壁となった流体金属が逆に仇となり波動エネルギーはコアを集中して焼き尽くすだろう」
それは帰り道などない特攻攻撃を意味している。提督が驚き語調を強める。
提督「いや、その作戦は許可出来ない! ゲインズ、君まで失ってしまったら……」
ゲインズ「されど、ジェイド殿やひじりん、そして○○殿を救う為なら……」
背中のバーニアにエネルギーを込めてゲインズは加速しつつ、Xelf-16のコアに接近していく。
提督「やめるんだゲインズ! 退けっ。命令だ、退けぇっ!」
ゲインズ「生まれて初めてかもしれない。ジェイド殿、某は貴方の命を拒否する。どんな懲罰を課してもいい、某は……」
片手に担いだ凝縮波動砲が白い光を散らしながらそれを大きくさせる。得物を手にしたゲインズはXelf-16のコアについに追いつき、光るスパイク状の武器「ゲインズクロー」を突き立てた。
ゲインズ「某は幻想の地にて死に場所を見つけたり。ひじりん、○○殿、美しき幻想郷に希望の光を。そしてジェイド殿、その二人を癒し導く道にならんことを祈る!」
提督「よせっ、思い直すんだ。戻ってこい!」
主を守るためにコアを飲み込む流体金属。しかしそこにはゲインズもへばりついていた。両者が飲み込まれた直後、波動砲の光が流体金属の中を照らし、ゲインズとコアのシルエットを浮かび上がらせた。
提督「ゲインズぅーーーーー!!!」
しかしそれも一瞬であり、それを認知した頃には光が洩れ始め、数泊置かぬうちに激しい爆音が旧灼熱地獄にこだました。
一方のコアを失った流体金属はバラバラと落ちていき本物の旧灼熱地獄の炎に包まれ、そして消えていった。
提督「バカヤロウ……」
そう、ゲインズという犠牲をもってして。その提督の声は裏返っていた。
お燐「ついに、倒したんだね……。当然死体は、残ってるはずもないか……」
この場の空気に耐えられずに、どうにかしておどけようとするお燐の声にも力がなかった。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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