地霊殿の大きな扉を乱暴に開くと二人はヅカヅカと奥まで進みさとりと対峙する。

さとり「また乱暴な訪問者ですね」
早苗「実は地底に向かって無数の黒い隕石が……」

事細かに事情を説明しようとする早苗を押しのけ、神奈子は一言だけこう口走る。

神奈子「霊烏路空、お前さんのペットだったね。ちょっと用事があるのでここに呼び出してほしいのだが」

途端にさとりは両目を見開き、その表情を恐怖でこわばらせる。

さとり「知らない……。そんな子知らないわ……! 分かったら出てって! 不愉快だわ!」

対する神奈子は語調を変えずに彼女の心を揺さぶる。そんなさとりの反応を半ば楽しんでいるようにさえ見えた。

神奈子「そんな筈ないだろう? 私はしっかり覚えているぞ。お前さんのところの地獄鴉に『八咫烏』の力を与えたことを」

ニヤリと口元だけに笑みを浮かべる神奈子。

さとり「出てけェー!!」

周りの本やらペンやらを滅茶苦茶に投げつけて激昂するサトリ妖怪。それを御柱1本で全て受けきる神奈子。

早苗「ちょっと、そんなに怒らせては交渉どころでは……」
神奈子「いや、これでいい。どの道彼女との交戦は避けられないだろうし。ならば彼女の十八番を封じてやるのがいい。激昂のあまり、心を読むのを忘れたサトリ妖怪など無力に等しい!」

それだけ言うと御柱を思い切り飛ばし、さとりを吹き飛ばす。壁に叩きつけられ気を失ってしまった。ぐったりする彼女を肩で担ぐ神様。

早苗「さとりさんをどうするのですか?」
神奈子「見せてやるのさ、真実を。あの反応で確信した。バイドを集めていたのは霊烏路空で間違いないだろう。だからこそ、飼い主である古明地さとりが必要なのだ。誰も脅威から逃げてはいけない。私も、そしてこのサトリ妖怪もだ……」

最後に「行くぞ」と早苗を誘導すると灼熱地獄への入り口へ入っていった……。



銀翼と妖怪寺AXE IXに続く……
あとがき

名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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