やれやれとため息をつきながら、この抜け道に誘ったお燐を睨み付ける提督。
お燐「あ、あたいを疑ってるのかい!? 罠に誘い込んだって?」
いや、それはないと思う。普段から陽気な彼女があそこまで身を震わせ親友を案じていたのだ。本位でお空を救いたいと。俺はお燐の弱いところを見ていたので確信が持てた。今回は提督の意見に賛同できない。だが、提督は淡々とした語調を変えることなくこう続けた。
提督「そうではない。仮にそうだとしても今君を憎んだところで、どうにもならないだろう。比喩ではなくて、言葉通りの意味だよ」
コンバイラから実弾兵器「ファットミサイル」が発射される。それは一直線にお燐に向かっていき……そして通り抜けた。通り抜けた「ファットミサイル」はそのままお燐に迫っていたドラゴンの頭へ着弾する。しかしまるで怯まない。
お燐「ひいっ!?」
そのドラゴンがあろうことかお燐を捉えると変形して胴体に組み込んでしまったのだ。そのまま何処かへ持ち去ろうとする。
提督「まだ気が付かないのか。周囲で渦巻いているのは溶岩ではない、熱された流体金属だ」
灼熱地獄だから炎とかマグマと思っていたが、そう思い込むこと自体が間違いであったようだ。そして俺たちが既にバイドの手中にあるという発言。言葉通りというともしやこの流体金属自体がバイド体? そして時折こちらを覗きこんだ肉塊のような目玉とそこから発せられたレーザー。
貴方「あっ! そういう事か……だとしたらなんて大きさなんだ!」
分かった。分かってしまった。この灼熱地獄そのものが既にバイドの手中に落ちていたのだ。流体金属を自在に操り、更にコアからはレーザーを放つバイド……。間違いない、俺達は「
Xelf-16
」の体内に入り込んでしまったんだ。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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