奴は地獄で熱された流体金属を龍の形にしてこちらに飛ばしていた。つまり奴を倒さない限り俺達は攻撃に晒されっぱなしだし、この先に向かうことも不可能ということになる。神出鬼没のあのコアに強烈なのを叩き込まないと! だがその前に……
貴方「お燐を助けないと!」
スロットルを思い切り倒す。あらん限りの速度を出して高速で離れ行くドラゴンを追う。
マグマによって熱された流体金属がプロミネンスのように吹き上がる危険な状態。だが、猶予はない。お空に続いてお燐までもがバイドの毒牙にかかってしまっては……。
不意に前方の地形が盛り上がる。炎が吹き上がる前兆と判断した俺は急いで機体を上昇させる。強烈なGが俺を機体下方へと押し付けてくる。負けじと俺は進行方向一点を睨む。そして炎は吹き上がった。速いっ! 危うく飲み込まれるところであった。
今度は天井側の流体金属が盛り上がる。今度は機体をギリギリまで降下。銀翼は熱対策はなされていないので必要以上に接近するのは危険だ。容赦なくコクピットを蒸し焼きにする炎。そして上方から噴き出るプロミネンス。どうにか銀翼に届くことなくやり過ごせたようだ。
貴方「暑い……」
ならばこんなスレスレの飛行は不要。機体をわずかに上昇させる。だが、荒ぶる炎はそれを許してくれない。今度はほぼ機体の真下。狙いすましたかのように炎が噴き出てくる。このままだとぶつかるっ……!
貴方「ええいやむを得ない。スピードダウン!」
これ以上の速度は出ないのなら、直撃を防ぐには銀翼の速度を落とすしかない。今度はGが前に俺を引っ張り出してくる。目の前ではプロミネンスが爆ぜていた。何もかもを一瞬で飲み込む炎が途切れる。だが、エネルギーが有り余っているのか、同じ場所を何度もプロミネンスが噴き上がったり止んだりを繰り返していた。炎が鎮まるタイミングを見計らい……俺は再びスロットルを倒す。
貴方「今だぁー!!」
直後、俺の背後で再び炎が爆ぜた。間一髪、炎に飲み込まれずに済んだのだ。
だが、俺に安堵の時は訪れない。上から下から一直線に道を塞ぐかのように火柱がまっすぐと噴き上がるのだ。加えて火山弾や熱された流体金属でR戦闘機を象った兵器「メルトクラフト」が容赦なく襲い掛かってくるのだ。
貴方「何が『旧』灼熱地獄だよ。思いっきり現役じゃないか!」
お燐を救うためには後退は許されない。覚悟を決めて俺は前進した。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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