肉塊のような目玉のような本体が蠢きながらこちらを睨みつけてくる。それにしてもバイドってのは生理的に嫌悪感を抱くような見た目の奴であふれ返っている。こいつなんて流体金属のバイドの筈なのにそのコア部分はどことなく包皮をかぶった陰茎に見えてくるのだから……。

逃げ回るのに限界を感じたのか、奴はいよいよ戦闘態勢を取り始めた。周囲の熱された流体金属をボコボコと盛り上げて、こちらを取り囲むように伸ばしていった。奴の弱点は時折露出する肉塊だ。お燐がひっきりなしに流体金属を引き裂こうとしているが、あれでは決定打を与えられない。

奴が本体を晒すその瞬間を狙い高火力の武器を使うのが一番だろう。俺はネメシス達を機体内に回収すると魔力の回復を図る。取り囲んだXelf-16の体の一部が棘のように鋭利になっているのを確認。

貴方「お燐、離れろ。熱された金属の杭で串刺しにされるぞ!」

俺の声に反応して中央、おそらくコアが隠れているであろう突起部分の目の前に躍り出る形になる。俺もその近くまで避難した。直後、ジャキンジャキンと空を串刺しにするおぞましい音が響く。そしてその時が来た。奴がコアを露出させたのだ。

これを好機と俺はネメシス達を呼び出し、レイディアントソードを突き出す。先ほど屠ったあのドラゴンのようにこいつも貫き倒してやる。じりじりと機体を前進させ、慎重に狙いを定める。

が、奴も無防備ではなかった。コアの中心がオレンジ色に光り始める。まずいぞ、あれは極太ビーム「Xelfハイビーム」の前兆だ。ここにいては直撃してしまう! 俺はやむなくオーバーウェポンを解除、機体を回転させながら奴のコアから離れる。その直後であった。マスタースパークばりのビーム砲が火を噴いたのは。

これが収まれば今度こそ隙を晒すはず。その時を狙えばいいのだが、奴の砲撃はいささかおかしいのだ。

俺の知っているXelf-16は一度思い切りレーザーを照射し続けて終わりだった筈である。だが、今のこいつは細かく連射しているのだ。それはまるで標的が見えているかのような……しまった! こいつがビーム砲で狙っていたのは……。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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