こいつがビーム砲で狙っているのは俺達じゃない。その遥か後ろを航行しているジェイド・ロス提督の艦隊、そして白蓮さんだ……!

貴方「このっ!」

慌ててレイディアントソードで奴の死角から斬りつけるが大したダメージにはなっていないだろう。向こうも俺の抵抗に反応してコアを再び埋めてしまった。今度は俺達を標的に、炎の龍を何匹も呼び出して襲わせた。こいつらはデカい分、R戦闘機を模した「メタリックドーン」よりもずっとタフだ。

しかし相手もこちらが見えていないらしくやはり狙いは曖昧であった。先程のように小回りが利かないのを逆手にとって俺の周りをグルグル回るように誘導すれば無力化できる。

こうしていれば奴もいずれ痺れを切らせてまたコアを出して……いやそれではダメだ。先程から汗がボタボタと垂れ落ち、喉もヒリヒリと焼け付いているのだ。

貴方「長期戦は……まずい」

元々が灼熱地獄である上に今は炎の龍に巻き付かれている状態。これではXelf-16やアールバイパーよりも先に俺の方が熱と渇きで参ってしまう。かつて霊夢や魔理沙はこんな場所に生身で飛び込んだというが、彼女らがどれだけ常識を逸脱した存在であるかを思い知らされる。

お燐「お兄さんっ、串刺しにされるよっ!」

くっ、真上から金属の針が突き出されている。退路を龍に阻まれ、あの強烈な一撃を回避する術がない。いや、わずかに身を寄せればかわせる。俺は操縦桿を強く握り精密な操作を試みる……。

先程とは比にならないほどコクピット内が熱せられる。しまった、俺を巻いていた龍の胴体に当たってしまったようだ。機体を大きく揺らして取り込まれないように脱出をしたが、視界がぼやけていくのは防げなかった。

今度は真下から針が来る。だが、もはや俺にその動きに反応する体力は残されていなかった。辛うじて直撃こそ避けたものの、大きく銀翼は弾き飛ばされる。ぼやけた視界が再びあのビーム砲の前兆を認識させたが……。

貴方「だめだ。もう、動けな……」

お燐「ちょっと、○○お兄さんっ! お兄さーーーん!」

そ、それでも意識だけは、意識だけは繋ぎとめないと……。

意識……だ……け……


…………


……



銀翼と妖怪寺AXE VIII後編に続く……

名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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