再びキャノピーを開きはたてに抱かれながらコクピットから飛び出した瞬間、バジュラバイパーは激しく爆発を起こした。だが、それ以上の大きな規模でのエネルギーの暴走が赤いクリスタルで引き起こされていたのだ。つまり、コイツも大爆発を起こした。

爆発はこの赤いクリスタルの領域そのものに誘爆を引き起こしており、このまま留まっていては巻き込まれてしまうのは明らかである。

はたて「私だって鴉天狗。足の速さなら誰にも負けないわ!」

爆音から逃れるように、はたては俺を抱えて一直線に飛ぶ。だが、バジュラバイパーよりも明らかに速度が遅い。

貴方「どうしたはたて? お前の全力ならもっと飛ばせる筈だぞ」
はたて「ゴメン、さっきの爆発で羽を傷つけちゃって……」

そういえば彼女は辛そうな表情をしていた。よく見ると羽根の付け根から結構な量の出血が見られる。それに流石に鴉天狗と言えど、大の男一人を抱えながらとなると飛びづらいと言うのもあるのだろう。

貴方「やっぱり、俺が重たいからか?」
はたて「ううん、それはへっちゃら……よ。だって、幻想郷に戻ったら……もっとちゃんとした形で貴方と支え合いたいって言いたいから……! だからコレくらいの重み、なんてことは……ないわっ!」

俺の太ももを掴んでいた指の力がわずかに強まった気がした。これが彼女の全力なのだろう。それでもこの赤いクリスタルが生み出した領域の端にまでたどり着けていた。うっすらと幻想郷の景色まで見える。

貴方「あと少しだ! この結界をブチ破れば……」

しかし、俺の体が大きく浮かび上がる。いや違う、爆発に煽られたのだ。それはつまりはたてが吹き飛ばされてバランスを崩したことを意味する。

そんなっ! あと少しってところなのに……! きりきり舞いになって墜落していく。だが、今度は不意に自らの体が引き上げられた。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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