いやだ、あきらめたくない。
私はあの時、諦めたくなかった。だからこうやって土壇場で我儘を貫いたのだ。それを今更尻尾巻いて逃げろというのか。
私は一体○○の何を見てきたのか? ○○はどんなに絶望的な状況でも決して諦めずに最後の最後まで足掻いて見せた。私みたいな天狗にも優しくしてくれるだけでなく、逆境にも怯まずに喰らい付き続けるそんな姿にも私は惚れ込んだのだ。
……今度は私の番だ。私が○○の命を助けて見せる。翼の怪我が何だ、天狗として、新聞記者として文より劣ってるから何だ、私だって住職サマと同じくらい……いいえ、住職サマ以上に○○が好き! ここで踏ん張らずにどこで踏ん張る?
はたて「全速力よ! ○○っ、しっかり掴まって!」
一度は自分を犠牲に彼だけを助けようと思った。だけど、私は彼の傍に居たい、居続けたい! そう思い始めると体からどんどん力が湧いてくる。
痛む翼を大きく広げ、私は○○を抱えながらあらん限りのスピードで飛び出していった。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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