(その頃、幻想郷。妖怪の山では……)
今もこの楽園から酸素と水分を吸収しようとするクリスタルに抗う私ははるか上空で幻想郷の為に戦う銀翼のことを案じていた。
さしもの私も能力の行使に疲れが見え始めたころ、うちの猫が何か大騒ぎをしているようだ。
橙「すごい爆発。クリスタルをやっつけたみたい。やったぁ!」
両手を上げて何度も飛び跳ねてはしゃいでいる。遅れて藍もその様子を確認し始める。
藍「銀翼が赤いクリスタルを完全に破壊しました。幻想郷から命の源を吸い上げていたクリスタルもいずれ崩壊するでしょう」
周囲で成長を続けていたクリスタルが次々と崩れ落ちていく。それと同時に酸素の濃度が低下するのにも歯止めがかかったらしいことが分かる。
紫「勝ったのね、私達の希望が。私達の、銀翼が……」
安心感に包まれて私は思わずへたり込んでしまった。これで、これで本当に全てが終わったんだ……。
早苗「だけど、○○さんは? 彼はどうなったのです!?」
激しい爆発に巻き込まれてしまったのだろうか? 激しい光が収まってもそれらしい影がまるで見えない。
紫「悪いことをしてしまったかしら……」
白蓮「そんなっ! ○○さんはあの爆発に巻き込まれて……」
激しい光で眩んだ眼をこすりながらもう一度夜明けの空に視線をやる。
しかし、銀翼の姿はどこにも見えなかった。
白蓮「○○さんっ! 応答してください! お願いですからっ! たった一言でもいいですからっ!」
次に宝塔型通信機に彼の名前を必死に叫ぶが、無慈悲な砂嵐のノイズが響き渡るだけであった。
→
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
お気に入り登録
/
登録済み一覧
セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら