(その頃守矢神社では……)
私達が赤黒くなりつつある空を見上げていると、一つの影が降り立ってきた。白髪に片翼の少女、彼女は確か……。
サグメ「無事を祈りなさい。今の私達にはそれしかできないのだから。彼に貴女達の想いを、そして激励の言霊を届けるのです。特に住職サマは心を込めて」
私の胸元に指を当ててやたらと強調してくる。
白蓮「えっ? それってどういう……」
サグメ「○○に生きて帰ってきて欲しいのでしょう? 私達は彼と一緒には戦えない。でも、この気持ちを届けることは出来る。違うかしら?」
もちろんそれが実現すれば願ったり叶ったりではある。
サグメ「言霊にはそれだけの力が宿っている。そこの鴉天狗さん、このことを幻想郷中に伝えて○○を応援するようにお願いしてきてくれないかしら?」
はたて「わわわ、私!? わかったわ、それが○○の為になるのなら、なんだってやって見せる!」
慌ただしく飛び立つはたてを尻目に私はあの人の無事を手を組んで祈る。すると組んだ手の間から光が漏れ出てくるではないか。反射的に私は空に向かって手を差し出した。光は赤黒い空に向かい小さくなっていき、そして銀翼に吸い込まれていった。
白蓮「これは……!」
サグメ「もっと、もっと祈り続けて。私も月に戻ったら彼への想いを伝える」
それだけ伝えた足早に去ろうとする月の民を引き留めるはスキマ妖怪。
紫「ちょ、ちょっと。今のは一体……?」
サグメ「命懸けで月にやってきた脳味噌のバケモノが教えてくれたのよ。『あの銀翼は想いを乗せてさらに強くなる』って」
唖然とする妖怪賢者を尻目に月からの使者は今度こそ飛び立っていった。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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