奴の作り出したこの空間が崩壊を始めているのは火を見るよりも明らかだ。仮に奴が生きていたとしても既にこの場にはいないのだろう。ならば取るべき手段は一つ。バジュラバイパーだっていつまで存在できるかもわからないし、少しでも早くここを脱出して幻想郷に帰ることだ。
ならば帰ろう。幻想郷へ。俺は最大速度で銀翼をかっ飛ばした。
赤い空間では至る所で小爆発を起こしており、時折ノイズのようなものまで発生している。主を失ったこの空間は加速度的に崩壊の速度を速めていた。
貴方「間に合うかっ……!」
対するこちらも光の粒子になりつつある銀翼を全速力で飛ばして幻想郷への帰還を試みる。時々爆発に巻き込まれて機体が大きく揺れるが、それでもかまわずに一直線に突き進んだ。
背後からは連鎖的に空間が爆発している。アレに巻き込まれたら終わりだ。だが、非情にも爆風の波はみるみる距離を縮めてくる。
貴方「いざ、南無三っ!」
あらん限りの動力を銀翼に注ぎ込む。エンジンから異音がし始める。相当無茶させているのが素人の俺でもよく分かる。
だというのに俺の行く手をまだ阻む存在がいるというのだ。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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