藍「来たか○○。……おい、同乗者はどうした?」

コクピットにいるのが自分だけだとすぐさま気付かれてしまう。本来なら白蓮やはたてが一緒に乗っていて帰りは彼女に運んでもらう算段だったが、これでは前提から崩れてしまう。

貴方「やはり幻想郷の住民を最後の戦いに巻き込むわけにはいかない。『外』の不始末は『外』がケリをつける」

しばらく流れる沈黙。緊迫した空気が流れ、俺も指一つ動かせない。だが、これは紛れもなく俺の意志。今更引き返すことなど、白蓮たちをあの戦いに巻き込むことなど出来ない。

藍「こんなこと紫様に伝えたら、すぐさま君を連れ戻すようにと命令するだろう。そうしたら私は君を拘束しなくてはならない。だから黙っておこう。紫様には私が後で上手く言っておく」

意外にも藍本人は引き留めようとはしてこない。

藍「君の強情っぷりは嫌というほどわかっているからね。ここで無駄に諍いを起こすよりかは君の意思を尊重すべきと判断した」

なんとも式神らしい淡白というか合理主義というか……。

藍「では作戦の説明をしよう。今からこのスキマに飛び込んでもらう。ここに飛び込むとすぐ後ろのスキマからこの世界に戻ってくる。そうしたらもう一度このスキマに飛び込むんだ」

説明しながら藍はチラチラと視線を横にそらす。どうやら紫の様子をうかがっているようだが、彼女は能力の行使に手一杯でこちらに気づいていないようだ。

藍「スキマを通過するたびにあの忌まわしきクリスタルのいる結界にお前は少しずつ適応していく。私の計算だと99回繰り返せばもはやアイツらと同じ存在になるだろう。そうしたらあの結界に入って、クリスタルを……叩け」

貴方「分かった、やってみよう。藍、骨を拾ってくれると嬉しい」

奴を砕いて、全てを終わらせよう。そうして幻想郷に平和をもたらすんだ。

俺は銀翼を加速させ、スキマに飛び込んだ。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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